2024年11月22日(金)

不況を生き抜く管理会計

2009年7月24日

 一休ドットコムは、高級ホテルや旅館の予約代行をビジネスとして業績が拡大している。その日の宿泊でもネットで比較的安い価格で予約が可能だ。急な宿泊の際は私もよく利用している。この会社の特徴は営業利益率の高さ。なんと52%(2009年3月決算)もある。モノを仕入れて売る商売でなく、予約を代行して手数料を取るビジネスなので利益率が高いのだ。この一休ドットコムの手数料は一般の旅行代理店より安いのでホテルのメリットも大きい。

 ホテル業界最大の弱点である「空室」を逆手にとってビジネスを開拓した一休。人の弱点は見方を変えればビジネスチャンスになるという好例だ。

中途ハンパがダメな時代になってきた

 最近、アンティークの自動巻時計が人気になっているそうだ。数百万円する不便な自動巻時計がかなり売れているらしい。一方、スウォッチあたりからはじまったファッショナブルで安い腕時計も人気だ。

 高いモノと安いモノ。この極端な価格帯で腕時計が売れている背景には、腕時計が必需品でなくなったという事実がある。いまやケータイを持ち歩く時代になって、時刻はそれを見ればわかる。腕時計はどうしても必要なモノではない。これが「こだわり」と「ファッション」への二分化となってきたのではないだろうか?

 反対に「そこそこ品質がよくて、そこそこお値打ち」という中くらいの腕時計が苦戦しているという。かつての有名ブランド、セイコーやシチズンあたりの「そこそこ品質がよくて、そこそこの値段」という腕時計がちょうどそのゾーンにハマってしまう。高いのと安いのが売れて、中くらいの値段のものが売れないという現象。

 ---ここ数年、同じ現象がホテルでも起こり始めている。

 これまでは駅の近くにそれなりの高級感でホテルをつくっておけばとりあえず儲かった。しかしこれからは高価格であれ低価格であれ、自分自身の存在意義をハッキリ認識しておかないとダメな時代がやってきた。

 「こだわり」の高級ホテルなのか、それとも「機能重視」のビジネスホテルか。時計と同じく一番ダメなのは「中途ハンパ」のようだ。 
 

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