お笑い芸人の江頭さんは、なぜかネット上で都市伝説が生まれている。東日本大震災の発生直後に自ら2トントラックを運転し、いわき市に救援物資を届けたという(http://www.narinari.com/Nd/20110415312.html)。この感動話がネット上で拡散され、さらに便乗してさまざまな「江頭2:50いい話」が誕生(※その多くは本人が「デマである」と否定)。テレビでは汚れ役が多いが、いい話がねつ造されるほどネット上では人気が高いのだ。
「平野レミ」「西川貴教」は、それぞれ料理研究家と歌手という本業があるが、本人の面白さが際立ち、ネット上で二次的効果が生まれるタイプだ。平野さんが『あさイチ』(NHK)で披露したレシピ「解決!ゴハンまるごとブロッコリーのたらこソース」(http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2014/10/16/03.html)が斬新すぎるとしてネット上で話題になった。また、西川さんは消臭芳香剤「消臭力」、股間のかゆみ治療薬「デリケアエムズ」などのCMに起用され、コミカルな演技で人気を博している。高い歌唱力を活かしてCM曲を熱唱する姿がネットニュース(http://japan.techinsight.jp/2014/12/nishikawatakanori-kokannouta1412041208.html)でも報じられた。ネット受けを狙う企業にとって、平野さんや西川さんは他のタレントより価値が高いのではないだろうか。
ネット人気が高いタレントの共通点を探してみると、「いじりがいがある素材」かどうかなのではないだろうか。いじりがいがあると、コラ画像や、ネット掲示板でのネタになり、そのネタが広がるとネット上の認知度も上がる。ネットユーザーの間ではたびたび「ネットスラング」が生まれることからも分かるように、自分たちにしか分からない共通言語を好む傾向にある。一度ネットでネタにされたタレントは、さらにネタが練りに練られて、特別な存在となる。一方通行のテレビでは得られない人気ではないだろうか。これからのタレントの活路として「ネットのネタになる」のは、よい効果をもたらすように感じる。
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