タイミング良く、というべきだろうか。1月14日、件の『Dragon Night』を収録した最新アルバム『Tree』(トイズファクトリー)をリリース。発売当初から好調な売り上げとなったことを受けての、1月26日のつぶやきだ。
「アルバムが発売から2週間で32万枚を突破したとスタッフに言われた!!嬉しい!(絵文字)ドラゲナイ!!(使い方がわからない)(絵文字)」
https://twitter.com/fromsekaowa/status/559661453410439169?lang=ja
公式のアカウントで、自身をネタにした流行にいともあっさりと乗って見せた。このつぶやきは5万リツイートを超え、2ちゃんねるでは「本人公式になった!」とスレが立てられた。1月頭からじわじわと広がっていた「ドラゲナイ」流行が、これによってさらに拡散されたのだ。「セカオワを知らなかったけど、ドラゲナイが気になって初めて曲を聴いた」という人のツイートも多く見られ、この1ツイートだけでもかなりのプロモーション効果があったと思われる。「曲を馬鹿にした」「自身を馬鹿にした」と嫌悪を示すわけでもなく、流行をともに楽しんでいるような姿勢を見せたことで、セカオワアンチからファンに変わった人もいたかもしれない。
ネットにはまだまだドラゲナイ可能性がある
これまでも「オワコン」や「激おこぷんぷん丸」など、ネット発で多くの言葉が流行した。一過性のものもあれば、その後も意味のある単語として定着し続けているものもある。有名人をネタにした流行語については長く定着しづらいと思われるが、今回のFukaseさんのツイートに見られるように、本人が流行に乗って拡散を加速させることで実に賢いプロモーション方法となり得る。
近しい事例として、昨年は「TOKIO力」なる言葉が流行した。日本テレビの人気番組『ザ!鉄腕!DASH!!』に出演するTOKIOのメンバーを好意的にとらえたものだった。自身で畑を耕し、自給自足生活を送るような「サバイバル力」「生き抜く力」を指す。「ドラゲナイ」とは異なり、こちらはちゃんと意味が伝わる言葉だ。いくつかのテレビ番組で紹介され、TOKIOのメンバーがうれしそうに反応するシーンもあったが、これにもしネット空間で公式に乗っていたら、もっと大きな流行を生んだのではないだろうか。
炎上事例ばかりが注目されがちな昨今だが、逆もしかり。数多くのフォロワーを抱える有名人には、「いじられる自分」を有効に利用できる可能性が毎分、毎秒生まれているのかもしれない。
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