2023年12月7日(木)

炎上?感動?ネットで話題のニュース

2015年1月30日

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多田慎介 (ただ・しんすけ)

ライター

1983年、石川県金沢市生まれ。大学中退後に求人広告代理店へアルバイト入社し、転職サイトなどを扱う法人営業職や営業マネジャー職を経験。編集プロダクション勤務を経て、2015年よりフリーランスとして活動。個人の働き方やキャリア形成、企業の採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。著書に『「目的思考」で学びが変わる 千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦』(ウェッジ)。

テレビのニュースには拾われないかもしれないけれど、ネットの一部で盛り上がったあの話題。知りたい人へお届けします。

流行のきっかけは、案外ドラゲナイ

「学校終わった。早く帰りたい。ドラゲナイ」
「今日の服装どこかドラゲナイ」

 Twitterや2ちゃんねるを中心に、ネット上で不思議な言葉が流行している。形容詞のようにして使われている「ドラゲナイ」。いったいどんな意味なのかと調べてみても、それは使用者によってさまざま。Twitterでの何気ないつぶやきやLINEでの会話、はたまた学校の黒板に「ドラゲナイ」と落書きされた写真がアップされていたりと、事情を知らない人にとってはまったくもって意味不明な世界なのだが、ともかく一部の層で流行していることは間違いない。

 広く拡散したきっかけは昨年末のNHK「紅白歌合戦」。10代を中心に圧倒的な支持を集める4人組バンド「SEKAI NO OWARI」の出演シーンだ。大きな旗を持ち、トランシーバーの形をしたマイクを携えて歌うフロントマンFukaseさんの姿が、ネットで話題を集めた。トランシーバー型マイクを素材にしてさまざまな人物にコラージュされた「コラ画像」も数多く出回った。

 そして、「ドラゲナイ」である。紅白歌合戦で披露された彼らの楽曲『Dragon Night』サビ部分での、Fukaseさんの英語の発音がネタ元だ。

 印象的に3回繰り返される「ドラゴンナイト」のフレーズが、「ドラゲナイ」に聞こえるという単純な言葉遊び。要はそれだけなのだが、「ドラゲナイ」という言葉の響きの面白さや、冒頭で紹介したような形容詞としての収まりの良さがネット受けした形だ。事の経緯を知ってしまうと拍子抜けしていまいそうだが、ネットでの流行は何がきっかけになるか予測がつかないという一つの事例だろう。

Fukaseさん本人はドラゲナイ対応

 「SEKAI NO OWARI」というバンドや、グループの存在感を象徴するFukaseさんの人気についてはあえて詳述する必要はないだろう。メジャーシーンで活躍する多くのバンドがそうであるように、熱烈なファン層とともに、「セカオワアンチ」なる層も数多く抱えている。印象的なビジュアルや、ファンタジー性に富む歌詞は、これまでたびたび話題となってきた。

 サビの英語詞の発音を「ドラゲナイ」と略すことは、ミュージシャンへの侮辱ととらえることもできる。そのため「セカオワを馬鹿にしている」と憤るファンの声も少なくはなかったのだが、当の本人であるFukaseさんのツイートで流れは変わった。


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