2024年12月23日(月)

インドでイクメン始めました 新任取締られ役の子育て・ビジネス奮闘記

2015年3月25日

 妊娠中に切迫流産になりかけて、たまたま私が出張でシンガポールに行かなければならず、妻のケアが物理的に出来ない事があり焦りましたが、現地の日本人の友人や年配の駐在者の奥様方に妻のケアをお願いして無事に乗り切る事が出来ました。苦労が多い国なので日本人同士の結び付きも強く、助け合いの精神がある事もインドの日本人コミュニティの特別な点かと思います。

 インドの富裕層の間では無痛分娩が一般的なので、妻も無痛分娩で出産を行いました。

 子宮口がある程度大きくなってきたら出産日を決めて、その日に陣痛促進剤を打ち出産を行うのですが、当日陣痛促進剤を打った後に無痛の薬を打つ麻酔師が現れず、聞いたところ渋滞で遅れている、今向かっていると聞いた時はインドらしさを感じました。最終的に現れて薬も投入したのですが、後々妻に聞いたところ結構痛かったようなので、薬が効いたかどうかは謎です。

 日本では出産後、1週間程入院するのが一般的かと思いますが、インドは1泊2日~2泊3日で退院するのが標準的のようです。

 私達の場合は妻の回復状況を見て、最終的に3泊4日で退院しました。そのために雇ったお手伝いさんがその日から体調不良で1週間休み、結局私がしばらくケアをしたのもインドらしい点です……。

――インドの子育て、良かった点、悪かった点、大変だった点は。

【良かった点】
・インド人は赤ちゃん・子供に優しいので、例えばレストランやホテルで子供が多少騒いでも咎められる事はありません。むしろ、スタッフが進んでケアをしてくれるところもあるので、気持ち的に楽でした。

・同じアパートに100世帯を超える日本人が住んでおり、子供の年齢が近い友人家族が同じアパートにたくさん住んでいたこと。いつでも会おうと思えば会える環境にありますし、特に妻にとっては同じ境遇のママ友が近くにいたので助かっていたと思います。

・私達は限定的でしたが、お手伝いさんを雇う事が出来る環境だったので、子育てのフォローを依頼出来たこと。但し、毎年給料が値上がりする事と、良いお手伝いさんは限られており給与も高いため、確保が難しいです。

・子供が部屋で走り回ったり騒いでもクレームが来ることがほとんど無いこと(周りがインド人の場合)。

・早い時期からプレスクールに入れるため(大体1歳~1歳半から)、インターナショナルスクールに入れば英語教育を早い段階で受けられること(インド訛りになりますが……)。

・帰任者のベビーグッズを頂けたり、格安で譲り受けたりすることが出来た点。自分が帰任した際も使わなくなったベビーグッズを差しあげたり、格安で譲ったりしました。

【悪かった点】
・衛生面が不安。大気汚染も蔓延しており、子供の健康状態を気にしたこと(幸い、元気に育っています)。

【大変だった点】
・現地で日本製のおむつや離乳食、粉ミルクの入手が出来ないため、日本帰国の際に都度持ち込んだり、出張者に依頼したりした点。途中で現地製のおむつに変えたのですが、おしりがかぶれてしまったため日本製品を継続して使用しました。最初から現地製のおむつを使用している方はかぶれないと聞きますし、もちろん個人差もあると思います。

・上記を除けばインドだから子育てが大変だった、と感じた事はありません。衛生面を除けば、日本より子育てはし易い環境であったかと思います。ただ、私達は出産の際に一時的にお手伝いさんを雇ったくらいで、親も呼んでいませんし、回りの方々のサポートにも恵まれてこれまで行って来たので少し感覚がずれているかもしれません。

 W氏の言葉にもあるよう、駐在員家族の多くが、インドで充実した子育てを送れているのは、大変な環境な中でも互いを支え合うコミュニティーの存在があるからだと思います。私も、ホーリーで親睦を深めたインド人コミュニティーや、デリー日本人会・サークル仲間との縁をフル活用して、イクメン取締られ役として奮闘していきたいと思います。

 最後に、インド駐在員の送別会では欠かせない、インド駐在員の心の曲、『インドでギター始めました』を紹介して今回のコラムを結びたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=hc1mNrANpN0

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る