チャイナ・ウォッチャーの視点

2015年12月30日

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富坂 聰 (とみさか・さとし)

ジャーナリスト

1964年、愛知県生まれ。北京大学中文系に留学したのち、豊富な人脈を活かした中国のインサイドリポートを続ける。著書に『苛立つ中国』(文春文庫)、『中国という大難』(新潮社)、『中国官僚覆面座談会』(小学館)、『ルポ 中国「欲望大国」』(小学館新書)、『中国報道の「裏」を読め!』(講談社)、『平成海防論 国難は海からやってくる』(新潮社)、『中国の地下経済』(文春新書)、『チャイニーズ・パズル―地方から読み解く中国・習近平体制』(ウェッジ)などがある。

上海のパノラマ(iStock)

米国との摩擦の懸念

 1点だけ、このなかに挙げられていないが重要だと思われるのが高付加価値化に向かわざるを得ない中国の道標である。かつて太陽光発電を次の成長エンジンの一つにしようと目標を掲げたときのようにITを重視するかと思われたが、それはどうなったのだろうか。

 実は、この点において懸念されるのは次の発展の場所を中国がITと定めたとき、どうしてもアメリカとの間で深刻な摩擦が起きてしまうとされていることだ。これは太陽光パネルをめぐって、いまは蜜月の欧州との間で深刻な摩擦が発生したことにもつながる問題だ。

 一説には、このところ急速にアメリカ国内で中国警戒論が広がった背景には、シリコンバレーが本気で中国を警戒し始めたことと無関係ではないとも言われる。

 そういった意味で中国は、アメリカとの調整が本格化する1年だということができるのではないだろうか。国際社会における中国の立場を考えてもアメリカとの関係は重要だ。しかもアメリカは大統領選挙の年である。毎回、中国に対する攻撃が最も強まる1年でもある。つまり2016年を位置づけるのであれば、米中関係の調整から目が離せない1年ということが言えるのではないだろうか。

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