2024年7月16日(火)

風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2009年11月12日

 毎年4月下旬に取り組む「鯉のぼりづくり」。人がくぐれるほどの大きさで長さ5メートルの鯉のぼりを手作りし、空を泳がせる。子どもたちが大喜びする恒例行事だ。しかし創立当初、幼稚園の資金は乏しく、布と絵の具は用意したものの鯉のぼりの模様を描く筆が足りない。「せっかく買うなら良いものを」という思いがあるため、安物の筆で数をそろえることに躊躇せざるを得なかった。

 そこで「どうしようか、どうしようか」と考え続けてたどり着いた結論は、「筆がなければ手があるじゃないか!」。こうしてこの年は、子どもたち全員の手形のうろこをまとった鯉のぼりが悠然と風の谷の空を泳いだ。そして、この“手筆”は、毎年秋に3歳児のためにつくられる実物大の「きりん」(写真)にも応用されている。

きりんの「手形」模様

 























 何か事を為そうとするときに、何の問題もないことの方が稀であろう。このとき、どのような姿勢で問題と対峙しどのような行動に結び付けていくのか。「できない言い訳探し」に時間とエネルギーを割き無作為に終わるのか、「何かいい方法があるはずだ」と考え解決策を模索し行動を起こすのか?

 大人の姿を見て子どもは育つ。問題に対する大人の在り方が子どもに与える影響は書くまでもないだろう。

 以上6回にわたって紹介してきた内容が、風の谷幼稚園の考える「幼児期に大切な3つの力」の概略である。次回からは、この3つの力が実際にどのように育っていくのか、3歳児から5歳児までの学級日誌をもとに順を追って紹介していこう。

※次回の更新は、11月19日(木)を予定しております。

風の谷幼稚園
園長・天野優子氏が、理想の幼児教育を実現するためにゼロから建設に乗り出す。様々な困難を乗り越え、1998年に神奈川県川崎市麻生区に開園。「人間が人間らしく、誇りを持って生きていく」ための教育を実践している。

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