一人一人のスマホが地震を感知し、しかもそれをデータとして送信することで大地震の予兆を見逃さないシステムが作れる。そんなアプリがカリフォルニア大学(UC)バークレー校の研究者によって開発された。
このアプリ「MyShake」は2月に発表され、すでにグーグルプレイストアでアンドロイド用のものが無料でダウンロードできる。アプリはスマホの画面調整システム(スマホを横にした時画面も90度回転する)とGPSを使い、地震が起きた時にその場所と震度を測定、サーバーに送信する。もちろん画面上で揺れを見ることができ、個人的な地震計としても使える。
アプリ開発チームのリーダー、リチャード・アレン氏は「カリフォルニア州内には1600万台のスマホが存在する。もしこのすべてがアプリを搭載すれば、膨大なデータを入手でき、地震予知、緊急避難連絡などに活用出来る」と語る。
スマホにアプリを入れているだけでどこでどんな大きさの地震が発生しているのかが分かる、というのは卓越したアイデアだが、条件として「およそ1万平方キロの面積に、少なくとも300台のアプリ搭載スマホが必要」という。というのも、既存の地震計は地震だけではなく音波や爆発、時には付近のスタジアムなどの歓声でも針が振れることがある。
アプリも「訓練されている」とは言え、例えばジョギング、ダンス、車の振動などの揺れを地震と勘違いすることもある。アプリが地震を感知し、ある一定の場所でその数が多ければ多いほど、本物の地震と判断されその震度も測定しやすくなる。また地震が短時間に頻発に起きる、などで大きな地震が来る予兆と捉えることも可能となる。もちろん大きな地震が起きた時は、逆にサーバーから各スマホユーザーに警告を発し、避難を呼びかける。