2024年12月8日(日)

赤坂英一の野球丸

2016年5月11日

 混戦が続いているセ・リーグの序盤、外国人打者の出来が明暗を分けている感が強い。下馬評を覆して首位に浮上した広島では、エルドレッドが打率と本塁打で堂々のトップに立ち、中日では新外国人ビシエドが7日の巨人戦で史上19人目の1イニング2本塁打を放つなど大暴れを見せている。それに引き替え、ロッテから移籍したクルーズが故障、新加入のギャレットも不振の“本命”巨人は悪戦苦闘の真っ最中。ロペスがスランプから抜け出せず、新助っ人のロマックも打てないDeNAは早くも最下位に定着したようだ。

外国人選手を獲得する基準

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 こういうとき、昔からあちこちの球団関係者の間で議論になるのが、外国人を獲得する基準をどこに置くか、である。とにかく打てればワガママでも目をつむるのか、それとも打撃と同じくらい日本に馴染めるかどうかを重視するべきなのか。つまり、力を取るか、性格を取るか。これは永遠のテーマだ。

 例えば、巨人のギャレットは明らかに人の好さを買われた助っ人だろう。日本人選手に混じって早出練習に参加し、どんな凡打でも一塁への全力疾走を怠らず、首脳陣の助言に真摯に耳を傾け、マスコミの取材にも大変真面目に対応している。巨人は昨オフ、中日のビシエド、ロッテのナバーロなど、パワーに勝る外国人もリストアップしていたという。それでもあえてギャレットを選択したのは、彼が一番優等生タイプだったからこそ。昨季のフランシスコが練習はサボるわ、首脳陣の助言を無視するわ、試合でとんでもないチョンボをやるわと、目に余るお騒がせ男だったことに、巨人は懲り懲りしていたのだ。

 しかし、ギャレットの打率は2割台前半、本塁打もビシエドやエルドレッドの半分程度で10本にも届かず、4番を任された助っ人としてはいかにも物足りない。「調子が悪くても信頼して使ってくれる高橋監督には感謝してます」というセリフは泣かせるが、外国人なら一発でチームの雰囲気を変えるようなパワーを見せてもらいたいところである。


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