異能の論拠
米野球殿堂入りの当確ライン、3000安打を積み重ねたイチロー。簡にして要を得た打撃の中核となる理論に、重ねた打席での研鑽が実効性を具備させたのである――。
04年5月21日のタイガース戦でイチローは日米通算2000本に到達。そのとき、こんな滋味あふれる言葉を残している。
「数字だけでは自信をつけることはできない。どうやって実績を作り上げたかに自信があったから、(大リーグで)自信を持って打席に立ちました」
柔靭な意志のもと、幾千の打席で築き上げたのは「どうやって」、また、「説明ができる」という、結果を導く引き出しである。
他の追尋も及ばない幾通りものプロセスで、イチローは今日も1球を仕留めにかかっている。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。
