2022年12月2日(金)

WEDGE REPORT

2017年1月22日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『挑戦者たち-男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で2018年ミズノスポーツライター賞受賞。

ギャラリー仕様の駅

 このセカンドアベニューライン、46億ドルというとてつもない予算がかかったことでも話題になったが、それぞれの駅には違うアーティストの作品が掲げられて、ちょっとしたミニギャラリーのようになっている。

チャック・クロースのモザイク
 

 中でも一見の価値があるのは86丁目の駅にある、チャック・クロースのモザイクだ。もともとスーパーリアリズムの巨匠だったクロースは、点画風の技術を使って写実的なポートレイトを手がけてきた。その作品をモザイクにアレンジして、細かいタイルを用いた壁画になっているのである。

 作品の中でも生粋のニューヨーカーでもあったミュージシャン、ルー・リードのポートレイトの前では、写真を撮影する観光客の姿が耐えない。他にも作曲家のフィリップ・グラス、クロース自身のセルフポートレイトなどもある。

ルー・リードのポートレート

 セカンドアベニューラインに乗ってみるのなら、是非この86丁目で下車してみることをお勧めする。

次は10年後?

 ところで本来はこのセカンドアベニューラインはQに接続するのではなく、Tという新しい電車名を作り、セカンドアベニューの下をずっと縦断させる予定なのだという。気になるのは、では残りの駅はいつ開通するのかということだ。

 今回の4駅はPhase 1で、次の段階のPhase 2は96丁目から125丁目までの延長計画である。順調に予算などがクリアされれば、10年後の2027年から2029年の間に開通する見通しだという。

 Phase 3は63丁目から今度は南下してハウストンストリートまで。さらにPhase 4はハウストンストリートから、当初の計画図では始発駅となっていたマンハッタンの南端のハノーバースクエアまで。残り14キロ弱のトンネルを掘削しなくてはならないのだが、この部分に関しては、まだ予算の見通しがまったくたっていない。
生きている間にどこまで見届けることができるのか。全線開通はニューヨーカーたちとの根競べになりそうだ。

  
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