2024年12月10日(火)

オモロイ社長、オモロイ会社

2017年4月4日

 2016年9〜10月にパリで行われたモーターショーで、最も印象に残った車両としてルノー、フェラーリに続いて日本のEVベンチャーが名を連ねました。それが本日、お伝えする京都大学発のベンチャー企業、GLMです。EVスポーツカーの量産に日本で初めて成功した同社。京都からなぜそんな会社が誕生したのか、また、このGLM社長の小間氏がどのようなビジネスを描いているのか。お話をうかがってきました。

パリモーターショーで紹介された「GLM G4」

いろんな偶然が重なり、必然に

 京都大学の大学院へ社会人MBA取得に通っていた、小間さん。EVベンチャーを起業する世界とは遠い環境にいながらも、どのようにして、京都でEVを製造する会社を設立するに至ったのか? それは、いくつかの偶然の重なりだったそうです。

 一つ目は、元・京都大学 教授で、現・名誉教授の松重和美氏らが進めていた「京都電気自動車プロジェクト」との出会いです。同プロジェクトにのめり込むうちに、母体に事業を立ち上げたのがGLMです。

 二つ目は、今や幻の名車として知られるガソリン車の「トミーカイラZZ」との出会い。今GLMの社外取締役の一人は、このスポーツカーを製造していた、京都のチューニングメーカー「トミタ夢工場」の創業者、富田さんです。

トミーカイラZZ

 三つ目は、EV製造に必要なパーツメーカーが京都に多く集結していた事。GSユアサやニチコンという世界に通じる企業が存在し、「地元のためなら」と集結してくれました。京都は元々、京セラ、ROHM、村田製作所ほか多数の企業を育んできた地でもあります。この地特有の個性と伝統がGLMのようなベンチャースピリットのある会社を生んでいるのかもしれません。小間さんが京都を選んだというより京都に選ばれた感があるGLM。京都であればこそ誕生した会社と話をうかがいながら感じた次第です。

 同社も起業後7年が経過し、現在(2017年3月)、社員数22名。社は京都大学内、開発拠点は京都府宇治市(元日産車体京都工場跡地)で、生産は京都府舞鶴市の提携会社が行っています。現在、資本金は32億2914万円となっています。


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