質問:スプーンを使わせようとしても、手づかみで食べるのが好きなようで、なかなかスプーンですくって食べられるようになりません。どんな練習をするとうまくいきますか?
答え:手がうまく使えるようになれば自然とスプーンを使うようになります。「食べないよりはまし」と割り切って、食事のときに訓練するというよりも、遊びのなかで楽しく手を使うように工夫してみましょう。
答える人 石橋涼子先生(石橋こどもクリニック院長)
お子さんが何歳かにもよりますが、手で食べるのはそのほうが早いからで、手が器用になってくればスプーンやフォークを徐々に使うようになってきます。もともと子どもはおとなや周囲の年長児の真似をしたがるもので、1歳半~2歳くらいまでにしだいに手づかみとスプーンの両方で食べたり、スプーンだけになったりしていきます。鉛筆やクレヨンでぐちゃぐちゃ書きを始めるのもだいたいこの時期で、つまりは単に食習慣というよりも、手の発達段階により変わっていくと考えるべきでしょう。
ですので、食事のときに厳しく躾けるよりも、ふだんの遊びのなかで手先を使っていくのが結局は早道かもしれません。スプーンも初めのうちはうまくは使えませんから、最初はスプーンを持つ手に手を添えて助けてあげるのもよいですし、それを嫌がるようになったら、食べこぼしには目をつぶって自分で食べるのを見守りましょう。食べることそのものが嫌いになってしまっては元も子もありません。
ちなみに箸が上手に使えるようになるのはもっと先のことで、だいたい4~5歳くらいではないでしょうか。もっとも大人でもいわゆる「正しい使い方」ができる人はそれほど多くなく、それくらい箸さばきは難しいものなので、おおらかに褒めて伸ばすくらいの心持ちで教えるようにしてください。
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