2024年4月20日(土)

70点の育児入門

2017年5月18日

質問:スプーンを使わせようとしても、手づかみで食べるのが好きなようで、なかなかスプーンですくって食べられるようになりません。どんな練習をするとうまくいきますか?

答え:手がうまく使えるようになれば自然とスプーンを使うようになります。「食べないよりはまし」と割り切って、食事のときに訓練するというよりも、遊びのなかで楽しく手を使うように工夫してみましょう。

答える人 石橋涼子先生(石橋こどもクリニック院長)

石橋涼子(いしばし・りょうこ)
東京大学医学部卒業。大学での研修の後、NICU、総合病院、障害児施設などに勤務。1996年からまつしま産婦人科小児科病院(現・まつしま病院)小児科部長、2005年1月に東京・江戸川区小岩に石橋こどもクリニックを開院。

 お子さんが何歳かにもよりますが、手で食べるのはそのほうが早いからで、手が器用になってくればスプーンやフォークを徐々に使うようになってきます。もともと子どもはおとなや周囲の年長児の真似をしたがるもので、1歳半~2歳くらいまでにしだいに手づかみとスプーンの両方で食べたり、スプーンだけになったりしていきます。鉛筆やクレヨンでぐちゃぐちゃ書きを始めるのもだいたいこの時期で、つまりは単に食習慣というよりも、手の発達段階により変わっていくと考えるべきでしょう。

 ですので、食事のときに厳しく躾けるよりも、ふだんの遊びのなかで手先を使っていくのが結局は早道かもしれません。スプーンも初めのうちはうまくは使えませんから、最初はスプーンを持つ手に手を添えて助けてあげるのもよいですし、それを嫌がるようになったら、食べこぼしには目をつぶって自分で食べるのを見守りましょう。食べることそのものが嫌いになってしまっては元も子もありません。

 ちなみに箸が上手に使えるようになるのはもっと先のことで、だいたい4~5歳くらいではないでしょうか。もっとも大人でもいわゆる「正しい使い方」ができる人はそれほど多くなく、それくらい箸さばきは難しいものなので、おおらかに褒めて伸ばすくらいの心持ちで教えるようにしてください。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る