2024年4月26日(金)

家電口論

2017年5月26日

ゼンリンの役割

 東電が設備なら、ゼンリンは空路等の空の3Dマップ航路地図を作るのが役目だ。どこをどう飛行すると最もいいのかを3Dマップ化するのだ。ただ3Dマップは、座標の組み合わせはもとより、鉄塔等の電力インフラ情報で書かれており、現在のような地図帳という形ではなく、座標データーとしての供給になるという。

 天候の変化は仕方がないとしても、地形的な特長のために発生する風の癖風や降雨などの気象情報は極力盛り込みたいという。書くと簡単そうだが、軽いドローンへの風の影響は大きいため、ゼンリンは、人間でいうと「経験と予想」といった、非常に重要な役割を担当することになる。

即日配送サービスは維持できるのか?

 このところ、ヤマト運輸の配送問題が大きく取り上げられているが、もしドローンが使用可能になるとどこが変わるのだろうか。現状と変わるところはいくつもあると思うが、その内の代表的なものを以下に書く。

 まずは、長距離の自動輸送だ。最終的にはAI付きドローンに託されることになると思うが、宅急便の営業所から営業所、もしくはユーザーの所へダイレクトに運ぶことになるだろう。集積センターなどは不要で、このトラックを逃すと、翌日出発、なんてこともなくなる。音の問題がクリアできれば、24時間配達となる時代となるかもしれない。

 次は、主には都会での話し。都会の配達時間でロスがで多いのは、上下移動だ。エレベーター設置の法強制はないが、建設省(当時)長寿社会対応住宅設計指針には、「6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置するとともに、できる限り3~5階の中層住宅等にもエレベーターを設ける」とある。

 ただ低層階のマンション、アパートなどでは、設けていない所もまだ多くある。昇り降りの繰り返しは疲れるし、時間も掛かる。しかも、配送先の住人が不在の場合、完全な時間ロスとなる。ドローンは上下に強いので、ビルからビルへ、マンション密集エリアの配送、特に古いアパートが多いエリアなどはかなり楽になると思う。

 ただし問題もある。ルールの確定だ。郵便ポストのような、配送ポストが全家庭に行き渡るのは、まだまだだろうし、ドローン配送が実施可能になった時、どのような形で受け取るのかが大きなポイントとなる。案外、ユーザーからの電話でドローンが発進。この時、何らかの形でユーザー認証されるので、その場での受取印はなし。荷物につけられた固有の8桁コードなど入れれば受け取り終了など、簡略にルール化できる可能性もある。ドローンの特性を活かし、皆が気持ちよく使えるルールができることを願う。

ドローンが「空の産業革命」であるワケ

 近未来の世界を描いたSF映画には、多くエアカーが出てくる。どんなに便利になっても都市部には人口が集中する。となると地上の移動では渋滞が避けられない。地下は設備を作るのに莫大な投資が必要。そうなると空を飛ばすのが一番というわけだ。高度5mと10mでは交差しないので、地上だけに比べ、何倍もの人をさばくことができる。

 現在の空を飛んでいるのは、ロケット、ミサイル、飛行機、ヘリコプター、そして鳥だが、ロケット、ミサイルは毎日は飛ばないので置いておく。次に鳥は体が小さいので、群れでない限り、人間本位の言い方をさせてもらうと、人間への影響はほぼ少ない。

 飛行機、ヘリコプター、飛行船に関しては、航空法が適用されている。同法施行規則第174条で、「飛行中動力装置のみが停止した場合に地上又は水上の人又は物件に危険を及ぼすことなく着陸できる高度」か、市街地上空では「水平距離600m範囲内のもっとも高い障害物の上端から300m」、その他では「地上又は水上の人又は物件から150m」のうち、いずれか高いものとされている。こうなると高層ビルが乱立する東京は大変。例えば634mの東京スカイツリーのある押上にスカイツリーのような見上げる、そんな高いビルはないが、この近辺では934m以上でないとダメということになる。

 そんな中、ドローンが注目されたのは、今使われていない低空域を使うからだ。どこからどこまでかは、飛行機と異なり国をまたぐことがないため、各国の法律に従うことになる。人が乗ることはできないが、この高さだといろいろなことができる。ドローンが「空の産業革命」と呼ばれるのは、その利便性の故だ。

 ただ現在の所、すごいと思うレベルには達していないため、「産業革命」と言われても感覚的にずれているとお思いの人も多いと思うが、ドローンハイウェイなどができてくると変わったなぁと思われるはずだ。


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