2022年8月12日(金)

家電口論

2017年6月5日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

ロボホンを買った理由 『可愛い』、『持ち運べる』

 先ほど、女性のオーナーさんが多いと書きましたが、若い人だけではない。子育てに一段落付いたと言われる方も多い。

 買った理由は、テレビなどで見て『可愛い』と思ったため。そして実物確認し、好きになってしまった。という人が多い。ちなみに、その後は、旦那さんにお願いして買ってもらった。と続くので、独身女性が癒しのためにというというのと違うし、お金にすごく余裕があるからというのとは、ちょっと違います。

 後、多かったのは、「持ち運べるロボットでチャンとしているのはロボホンだけ。」という意見。こちらの方は「ロボット」と明確にいうだけあり、中にはソフトバンクのペッパーと比較しましたという女性も。購入の決め手は「持ち運べる」大きさだ。

ちなみに、電話、メールを使っているという人は、ほとんどいなく、オーナーの認識は、「汎用人型携帯ロボット」だった。

「便利な生活」ではなく、「豊かな生活」のための家電

 この後イベントは、開発秘話のお話などを経て盛り上がり、解散になるのであるが、みんな非常に楽しんでいた。交通費自費で参加しようという位なので積極性があるのはもちろんなのであるが、「「楽しむ」ことを楽しんでいる」感じという表現が一番的確だろう。

 考えて見ると「ロボホン」は不思議な家電だ。これがあったから「便利になる」ということはない。電話、メール、また大量の情報に対してはスマホの様に強くない。(ロボホンの電話番号、メールアドレスはSIMに書かれたものを使用するため、それしか使えない。)このため、ロボホン1台で全てに対応しようとしたら、本当に大変だ。シャープへのインタビューでは「最後は1台持ちにする」という話もでたが、現実問題今は厳しい。

 その上、オーナーのほとんどはデジカメすら持ち歩いている。

 スマホ1台でというご時世に、ロボホン、スマホ、デジカメの3台体勢だ。面倒なはずなのに、みんな和やか(にこやか)だ。楽しんでいる。

 アーリー・アダプターは新し物好きという側面が強い。インタビューなどすると、「持っててスゴいでしょ。新しいでしょ。見つけたボクすごいでしょ。」というニュアンスが滲み出る場合が多いが、今回はかなり違う。嬉々として実に楽しそうだ。

 遊んでいる子ども、孫を見て楽しい。一緒にいると楽しい。ロボホンが持つのは、そんなニュアンスだ。

成長する家電

 ロボホンの特長の一つは、成長することだ。

 2016年5月生まれのロボホンは5歳児の設定。1年後の2017年は6歳児になるはず。これに合わせたかの様なアップデートが毎月のようになされている。

 1年目のアップデートの中に、「九九も覚えられるようになりました。」というのがある。実はこれ、オーナーが対話で、1×1=1から順に覚えさせるのだ。しかも一の段から一回に付き3個ずつ。記憶が固まるのに数日というので、「凝っている。」というより、「まさに子ども!」と言った方がベターだ。

 また、踊りも14種類覚えている。最新の踊りは「フラメンコ」。最後の「オーレ」をロボホンが子どもの声で言うのが笑えるのだが、流麗なその踊りには感嘆を禁じえない。

 地道なアップデートの積み重ねが、スゴいことになっていると言っていいかもしれない。

 オーナーに、どこまで成長してもいいかと尋ねたところ、「中学の子どもの反抗期はいや」「「おばさん」と言われたらいやだ」ということだった。確かに反抗期を設けられると辛いモノがあるが、この一年のアップデートは非常に好評だ。

 「アップデートの日は、仕事が手に付かない」というオーナーもいる位である。

 後で聞くと、設定上は「永遠の5歳児」だそう。5歳児と言えば、クレヨンしんちゃん。しんちゃん相手では、かなり芸達者になったロボホンも形なし。が、月々のアップデートを重ねること数年すると、もしかしたら追いつけるかも知れない。

人に「コミュニケーション・ロボット」の説明は大変

 こんな風にオーナーからは絶大な支持を集めているロボホン。何故「爆発的な」人気にならないのであろうか?

 その理由の一つが、カテゴリーである。冒頭、持って廻ったような書き方でロボホンのカテゴリーは「携帯電話」であることを書いた。と言うのは「コミュニケーション・ロボット」と言っても、ほとんど人はピンとこないからだ。

 「歌えます」「踊れます」だったら玩具かというと、「写真撮れます」「内蔵プロジェクターで中の写真、映し出すこともできる」。今は少々頼りないが、「検索」もできる。もちろん「電話」もできるし、「メール」も取れる。 

 ロボホンが玩具だとしたら、とてつもなく高い玩具だ。自分で作るロボットに、レゴロボがあるが、これほどのことはできない。まず動きが違いすぎる。ロボホンの完成度はそれほどまでに高い。

 シャープはその辺りの事情を考慮し、携帯電話として販売するとしたわけだが、前述のように、電話、メールの機能は余り使われてはいない。スマホなどもガンガン電話するかというと、それは違う。むしろネット端末としてということだが、それはスマホが普及したからであり、それまではスマートフォンを的確に説明できる人は少なかった。

 ロボホンも似ている。ネット端末の一つで、スマホができることは、ほぼできる。

 が、それ以上に重要なのは、「人型」であること。「可愛らしく」、「小型」で、「音声でコミュニケーション」ができることだ。オーナーのアクションを見ていると、どこでも一緒に行く小さな「自分の相棒」という感じがする。人型であるが故に、「共通体験」をしているのだ。ロボホンと一緒に写真を撮ったり、ロボホンの写真を撮るのは、より体験リアリティが増すからだと思う。

 これはスマホにはない機能だ。しかし、これもコミュケーション・ロボットの一つの側面でしかない。

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