その後続報は絶えたが、反発の背景には、カザフに限らず中央アジアに押し寄せる中国人の奔流がある。キルギス、タジキスタンでは、中国人に商売を奪われた地元商人が、何度か中国人排斥の騒動を起こしている。
地元の怒りを鎮め、同時にちゃっかり儲けるため、中国商人はその後何を売り始めたか。実はある中国製商品をバザールの店頭に並べ、カザフで大いにヒットを呼んだのである。同国の地図や国旗をプリントした「愛国的」男性用ブリーフ(下着)がそれ。
国名を入れたものや、カザフの象徴・黄鷲をあしらったパンツがあるし、国旗入りパジャマもあり、それぞれよく売れたという。ただしこれも、圧倒的に安いからこその話。地元商人の居場所は、「愛国パンツ」が売れるほどに狭まるという皮肉が起きている。
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