どうやら新しいスーパーサイクルが来たようだ!
2017年の3月ごろから市況に動意がみられたがコバルトやリチウムやタングステンやタンタルといったレアメタルの市況が徐々に上昇していった。どうやらその後も一年かけてレアメタル市況が堅調に推移してきたのである。
繰り返しになるが、技術革新では情報技術がけん引する形でほぼ全てのレアメタル相場が切り上げてきている様相が強い。
我々の生活の中の情報量が爆発的に激増するために巨大なサーバー情報の切り替えがすべての分野でスタートしているのだ。例えば、わが社ではサーキットボードの廃基盤から貴金属やタンタルなどのレアメタルをリサイクルする事業があるが、コンポーネントから廃基盤を選別する際に通信インフラや企業のネットインフラからのサーバーがリサイクル市場に出回ってきている。つまり従来のサーバーの切り替えがものすごい勢いで進んできているのだ。
IoT時代の到来でビッグデータを処理するために古いサーバーはもはや能力が不足しているから新規の設備投資が進んでいるわけである。その置き換え需要だけでも新規の半導体設備や電子機器がリノベーションするわけだから新しいレアメタルのスーパーサイクルがやってきたと考えても不自然ではない。
循環型社会の到来についてはまたの機会に深掘りする予定だが、今や「都市鉱山」という名前で我々の生活圏に眠っている貴重な貴金属やレアメタルをリサイクルすることで「Waste To Wealth」即ち「廃棄物を富にかえる」発想が重要になってきている。
中国の環境対策の変化が鍵になっている
中国の環境対応政策によって、これまでの「大食いの大糞ひり」の体質が変わってきた。リーマンショックの後の政府主導型の景気浮揚策は、公共投資を中心に道路でもビルでも無秩序といえるほどに中国大陸の全域に公共投資がばらまかれたようにも見えた。
一帯一路政策が声高に唱えられてユーラシア大陸を横断して、さらにアフリカまでも中国の経済圏として開発していくという稀有壮大な計画が当たり前のように報道されていた。
造れるだけ作って在庫が余れば、海外に輸出するという安易な対応がなされたように見えた。中国政府はこれ以上環境汚染が進まないようにしないと国内暴動の火種にもなるので、スクラップの輸出入の禁止や公害排出工場の取り締まりを強化せざるを得ないはずだ。PM2.5の問題も北京や上海の郊外の工場を停止させることで大気汚染問題が解決することは実験済みだから、環境の締め付けはますます強化されることがあっても、緩和するという選択は考えにくい。日本の60年から70年代のような公害大国が環境大国になった訳だから成長著しい中国が環境対策を実践できないわけはないのである。