日本の領海を通る新たなシーレーン
北京にとってカナダは米国より早く国交を結んだ老朋友。1990年代後半、香港が英国の所有を離れた前後バンクーバー周辺へ移住した香港系華人は、今や一大政治勢力だ。中国にとってカナダは与しやすく、かつ食い込めば間接的に対米影響力を増し得る国でもある。進出には種々計算があろう。
今後は中国・カナダ間に資源の海上輸送路が現れる。新しいシーレーンは北太平洋を横断、日本の領海を通る。中国海軍はその保全を旗印に拡大し、日米海軍力との緊張を増すだろう。ただしその頃までに中国は米石油企業を東・南シナ海の資源開発に巻き込み、人質としていないとも限らない。
ところで日本はアルバータ州エドモントンに67年以来領事館を維持していたが、いざこれからという2005年をもって閉鎖、カルガリーに移した。2つとももつ予算はなかった。
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