それにメーカー各社に対しては地震による直接的な被害とは別に、「工作機械のユーザーから大きな揺れに起因する設備機械のズレなどを修正するための“レベル出し”の協力要請が多数寄せられている」(中村会長)という。各社ともこうしたユーザーからの要請に対しては「迅速に対応している」(同)というが、ネックとなっているのがここに来て表面化したガソリン不足だ。“レベル出し”などのユーザーサービスは「工具などを備えた車でうかがう必要がある」ためだ。いち早く産業の立ち直りを目指すためには政府などはこうした面での配慮も必要だ。
また、地震で甚大な被害を受けた福島第1・第2原子力発電所の停止による電力不足対応から東京電力が始めた計画停電に対しても注文が多い。機械加工が中心の工作機械業界にとって「停電時間3時間といわれても、ただ、3時間、機械を止めればそれでよいというものではない。急にストップすると刃物が折れたり、ワーク(加工物)が傷付いたりする。機械を止めるにも準備が必要だし、再稼動させるにも段取りが必要。前後を含めれば6時間くらい機械を止めなければならない。そのために停電時間などの事前通告は不可欠。もう少し配慮してほしい」(中村会長)という声が強い。
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