2024年12月22日(日)

中島恵の「中国最新トレンド事情」

2018年5月29日

 食べ始めて1時間ほどしたところで、カラオケやダンスタイムが始まった。思い思いに歌ったり踊ったり、席を交換しておしゃべりを楽しんだ。他の個室にお客はなく、この日は私たちの貸し切り状態。いくら騒いでも構わないし、無礼講だ。最後にお土産をもらい、農家レストランが手配してくれたクルマに分乗してホテルに送ってくれる、というサービスつきだった。

ダンスタイムなどもある

国内でも海外でも“田舎”へ目が向く中国人

 今、中国では、このようなプチ農家楽を含めて、宿泊を伴う農家楽も大流行しており、魚釣りやハイキング、お花見、川遊び、野菜の収穫、動物とのふれあいなどのアクティブティが用意されているところもある。2017年の統計によると、中国での国内旅行者はのべ約48億人(1人当たり1年に平均3.7回)にも上っており、旅行熱は高い。

 国内旅行だけでなく海外に出かける際も、都市だけでなく農村に足を延ばす傾向があるという。私はインバウンドの取材もしているが、訪日中国人は東京、名古屋、大阪など、すでに何度も出かけている大都市だけでなく、まだ行ったことのない地方への関心が高まっていることをひしひしと感じる。とくに、中国では見られない日本の砂浜など海岸や、北海道の大雪原、森林浴、日本の民家への宿泊などに興味を持っている。

 彼らの目は国内でも海外でも“田舎”へと向いているのだ。ちょっと気分を変えて、このように2~3時間滞在するプチ農家楽もそのひとつだろう。私は仕事の関係者と一緒に出掛けたが、思いがけず、彼らが仕事上ではあまり見せないリラックスした顔も垣間見ることができた。

  
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