テクノロジーとは遠い世界から起業スタート
名だたる世界企業と取引をしているギャプライズですが、テクノロジーに長けた人材集団かと尋ねますと「文系中心です!」という返事がありました。
甲斐さんの大学の友人が2年で「勇退(大学3年まで在籍しないと中退と言えないそうです)」し、ベンチャー企業数社で経験を積んだ後、2005年に起業しました。甲斐さんも、大学卒業後、その会社に誘われるものの、「社会人経験がなくてはダメだ」と、金融商品を扱う企業に入社しました。
しかし、手数料稼ぎ優先の世界で「何かが違う違和感」を感じ研修が終わり現場配属された後1カ月ほどで退職することに。そこから、事業家の道を友人と歩むことになりました。創業はじめの頃は、ECが盛んになり始めた頃でもあり、どうすれば売れるか? を顧客と一緒に考え、企画することで事業をスタート。最初に、ドラ焼きの洋菓子化、スイーツ化だったそうです。そこから横浜中華街の名店で月間売上60万程度だった実績を7カ月後には3500万円にすることに成功。ウェブスキルがないなかで「熱意」そして「企画力」で顧客を増やしていきました。そこからランディングページの制作へと繋がっていきます。
熱意のあるメンバーが海外で丁々発止で大成功を
社員採用も学歴に偏重することなく「やる気」や「貪欲さ」を考慮して採用しているそうです。イスラエル人と言えば、ビジネスの世界ではかなりの厳しさを持っていますが、そのイスラエル人に気後れすることなく二人三脚でビジネスを進めている1人が、広島から上京した奥原さん。ギャプライズのホームページを見て、飛び込みで面接に訪れたそうです。その熱意で海外でも奮闘、海外企業との提携時や新規ソリューションの国内展開は、このパワーがあってこそ上手く行っていると甲斐さんは語ります。現在パート・アルバイトを含み90名の雇用を創出している甲斐さんですが、この奥原さんのように、仕事を通じて人間としての成長を見るのが何よりの楽しみだそうです。
日本にビジネスの世界で牙を取り戻す
甲斐さんは、今の日本、日本人にビジネスの世界で戦う、勝ち抜く気概に物足りなさを感じ、「牙」をむくほどでないと戦えないのでは、と表現していましたが、その「牙」を取り戻すためにもイスラエルと付き合うことは有益であり大事だと話します。
「国」を取り戻したイスラエル。隣国を見渡すとまだまだ緊張状態で、そこを生き抜くパワーはイスラエルに訪問するたびに勉強になるそうです。教育、知識、宝石と小さい・軽いそして価値があるものを事業化、世界に広めてビジネスを展開している、そこからITの世界でも圧倒的に力を発揮している、このゼロイチに強いイスラエルと、器用さを持ち合わせた日本人がビジネスチャンスは広がると考えています。
元々、主部の神様、平将門が起源である神田明神、現在は商売の神様、そのお膝元から世界を目指す同社の次へのステップが楽しみです。
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