「縁起の良い場所にようこそ!」と、笑顔で出迎えてもらった甲斐亮之さんが率いるギャプライズ社は、神田明神の鳥居の内側に位置する江戸の感性漂う場所に所在しながらも、世界中の最先端テクノロジー、特にイスラエルと太いパイプをもちながら、その技術を日本に広め、提供する事業を展開しています。その代表の甲斐さんになぜイスラエルの先端技術を取り入れビジネスをスタートできたか? また、自身の起業ストーリーを中心に話を聞きました。
キッカケは圧倒的なレベルの差を目の当たりにして
ランディングページ(以下LP)などを制作するウェブマーケティング会社として2005年に起業して4年、顧客が600社程度まで拡大しました。ここで、このまま制作を継続するだけでなく、制作したLPのweb上の可視化、制作後の結果の数値化、データ化、仮説検証等々を自力でシステムを製作する決断をしました。
自己資金を投資して試行錯誤の約2年後、なんとか自社でカタチとなり世に出そうとしていた際に、たまたま米国のニュース記事でクリックテールを知りました。実際にクリックテールを使ってみると、そのレベルの高さに驚いたそうです。そして、クリックテールを提供しているClicktale社がイスラエルのスタートアップ企業でした。
当時、ビジネス英語を話せる社員が1人しかいないなか、イスラエルのClicktale社へメールおよびSkypeでコンタクトを試み、どうにか同社とビジネスの話ができるようになったそうです。
Clicktale社と代理店契約を結ぶことができた鍵は、ギャプライズの既存LP取引先が多数あったことが大きいそうです。クリックテールにしてみれば日本で取引先を保有する甲斐さんの会社と組むことで売上の増加を期待したということです。
契約締結後は、元々取引先とグリップ力があったことも奏功し順調に売上を伸ばし、たった2年で取引社数約1200社に販売導入が実現したそうです。
その後イスラエルを中心に、シリコンバレー、豪州等々、十数社の世界最先端テクノロジーツール企業と連携しているギャプライズ社ですが、その展開スピードはなぜ生まれたか。大きな要因は、「人の移行」と「イスラエルでの知名度」と甲斐さんは話します。
起業の道を目指す比率も日本と比べて格段に多いイスラエルです。それは教育制度、慣習の違いもあるそうで、中等教育からプログラミングを学びはじめ、高校を出ると兵役。それから大学へ、卒業後はすぐに就職するのでなく、1~2年世界中に旅に出る。そこからグローバル企業に就職して起業の道を選択する若者が多いそうです。
世界に対して広い視野を持ち、就社という感覚より職へのこだわりをもったイスラエルの人々。とにかくいろんな会社へ移行することから、当初スタートしたクリックテール社のメンバーもイスラエルのみならず世界各地へとアチコチに散らばって行き、そこから日本での提携先として成功体験を持ったギャプライズ社に声がかかるようになったそうです。イスラエルでの知名度も上がり、そこから世界各地に広がり今に至ります。まさに「実績」が信用となっていったモデルと感じます。