2024年12月13日付ウォールストリート・ジャーナル紙は、「トランプは中国の機嫌を取り、日本に厳しく当たる」との論説を掲げ、習近平を大統領就任式に招待する一方で、日本製鉄によるUSスチールの買収に反対するトランプ次期大統領の対応を批判している。
現在、世界は、トランプ第2期政権にどのように対応すべきかを考えているところだが、次期大統領はしばしば矛盾するシグナルを送るので、それは簡単ではない。彼の中国と日本に対するメッセージが典型例だ。
日本はアジア太平洋における米国の最重要の同盟国で、中国の敵対行為に対する防波堤だ。しかし、トランプは、日本製鉄がUSスチールを買収し、米国内の鉄鋼生産のために数十億ドルを投資するという契約を止めようとしている。これは、元国務長官のポンペオが言う通り、同盟国に対する平手打ちだ。
一方、トランプは、1月20日の大統領就任式に中国の習近平主席を招待した。報道によれば、習は招待を断るつもりのようだが、それは良いニュースだ。反米を唱える独裁者が4年に一度の民主的権力移行の儀式に出席するのは不適当な面がある。
トランプは、習と仲が良いことを見せつけるのが好きであり、友好的なシグナルを送りたいのだろう。しかし、個人的関係は、中国共産党を動かしている強硬な人物との関係では余り意味をなさない。
習はトランプに魅せられたりしないし、中国側の敵対行為で何らかの犠牲を払うことになると理解しない限り、サイバー・スパイや盗賊行為を止めたりはしない。日本の石破茂首相を招待する方が良い。そうそう、日本製鉄の契約も認めてはどうか。
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