2025年1月13日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年1月13日

ウクライナ戦争の停戦へ乗り越えるべきこと

 問題は、これを米国がやる用意があるかどうかであり、その回答がイエスであったとしても、ロシアにそれを飲ませるだけの圧力をかけられるかどうかだ。そして、ウクライナのNATO加盟等が、NATO等とロシアとの戦争に容易につながらないためには、ウクライナ領土の内、親露派などの存在でロシアが容易に侵攻できる場所を無くす必要がある。従って、現在ロシアが占領している場所をウクライナから切り離すという決断は、ウクライナのNATO加盟実現の上での必要条件なのかもしれない。

 もう一つ、流石に今回のウクライナ戦争で、4万人近くの死傷者を出し、領土を追加的に失うのみで何も得るものが無かったというのでは、ゼレンスキー大統領は国内的にもたないだろう。従って、現在ウクライナが占領しているロシア領のクルスク州をロシアに返還し、その見返りとしてロシアが占領しているウクライナ領土の一部の返還を求めるということになる。

 この一連の流れが進むかどうかは、ロシアが今のところ決して受け入れないとしているウクライナのNATO加盟(または、主要国との2国間相互防衛約束)実現に係っている。プーチンにそれを受け入れさせるのは、バイデンでは無理だが、トランプならできるかもしれない。

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