2025年1月15日(水)

BBC News

2025年1月15日

ドナルド・トランプ次期大統領が2020年大統領選挙での敗北を覆そうとしたとして起訴された事件で、2年間にわたって捜査してきたジャック・スミス特別検察官の最終報告書の一部が14日、公表された。「裁判で有罪判決を得るのに十分な」証拠があったとし、昨年の大統領選で当選していなければ有罪となっていただろうとしている。

この事件では、トランプ氏が昨年の大統領選で勝利したのを受け、現職大統領の訴追を禁止する司法省の方針を理由に、起訴が取り下げられている。同氏に関する他の刑事事件も、ほぼ立ち消え状態となっている。

報告書は約140ページに及ぶ。内容の多くは、2022年の議会調査や、スミス氏が裁判所に提出した書類などから、すでに知られていた。それでも、証拠のいくつかに新たな光を当てるものとなっている。

報告書でスミス氏は、「トランプ氏の(2024年の)当選と、間近に迫った大統領復帰がなければ、裁判で有罪判決を獲得し、それを維持するのに十分な証拠があったというのが検察の見方だ」とした。

スミス氏は今月、特別検察官を辞任している。

報告書の中身

報告書については、以下のことが読み取れる。

トランプ氏に対する起訴の正当性を主張している。同氏については、「敵とみなす勢力を脅し、そうした勢力への暴力をけしかける」ことで、「不法に権力を維持するという前例のない努力」をしたと非難している。

トランプ氏の「犯罪的な努力」を貫いていたのは、選挙で不正があったという主張だったと説明している。ただ、同氏はその主張が虚偽だと知っていたとしている。

捜査当局が直面した「重大な困難」を詳述している。例として、トランプ氏がソーシャルメディアを使って証人や裁判所、司法省の職員を攻撃したとしている。

スミス氏は、今回の事件が政治的な動機に基づくものではないとし、「検事としての私の判断が(ジョー・)バイデン政権やその他の政界関係者によって影響された、または指示されたというトランプ氏の主張は、単にばかばかしい」と主張している。

スミス氏はまた、添付文書で「起訴した事件を裁判に持ち込めなかったが、私たちのチームが法の支配のために立ち上がったという事実が重要だと考える」との思いを明らかにしている。

トランプ氏は「フェイク」と批判

来週、大統領2期目がスタートするトランプ氏は、報告書の公表直後に自らのソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、自身の潔白を主張。スミス氏を「錯乱している」と批判し、報告書の中身は「でっち上げ(フェイク)」だとした。

また、スミス氏について、「この事件を選挙前に裁判に持ち込めなかった」とし、「その選挙で私は大勝した」と投稿。「有権者が声を上げた!!!」とした。

報告書の公表については、トランプ氏が差し止めを求めて提訴していた。公表を認めたアイリーン・キャノン判事は、報告書の残りの公表についての審理を今週中に開くとしている。

残りの部分には、トランプ氏が政府機密文書をフロリダ州の自宅に違法に保存していたとされる事件について書かれている。

(英語記事 Trump would have been convicted if not elected, DoJ report says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c0lzgp7epe5o


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