したたか者の流儀

2018年6月29日

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今年も多数の株主総会に参加してみた

 今年もそんなシーンが多いだろうと思ながらも、多数の株主総会に参加してみた。ところが今年は違う。

 もちろん、例年通りの質問も出る。質問にもならない意見や、個人的恨みなど様々な道化話が出た後に、あたかも真打ち登場のごとく、さっと手を上げ、既にかなり読み込んだらしく付箋が貼られた株主総会資料を手にして、議長よりも遙かに落ち着いて質問をはじめる。

 経営者側も、会場もあまりに的を射た質問であり、議長は軽々に、参考にさせていただくなどといえない。

 議長も我に返って、企画担当の取締役から返答をさせるといってその場を仕切るが、場内に緊張が走ることになる。さすがに企画担当はそつなく答えをつくろうが、質問者から厳しい「ニの矢」が飛ぶことで、勝負はついてしまう。

 かといって、質問者は大きな声を上げるでもなく、また議長はこころから経営に生かすことを約束して幕引きとなるケースが散見されるようになった。

 多くの株主はこの手の質問者が経営したほうが良いのではないだろうかという印象を感じているようであった。

 さて、65歳以上の人口が国民25%にもなり、中には企業の第一線で最近まで働き、時間が出来たので、昔から気になっていた会社の株式を取得。経営状態をしっかり分析するような層が生まれてきたとの仮説を立ててみた。

 女性の社外取締役が増加し、弁護士会計士がバックグラウンドの社外役員と共にひな壇に並んでいるが、今年増加した凄腕の個人株主に対応できないであろう。

 よく考えれば、元タレントの女性や有名なだけの役員の代わりにこの退職者と思える凄腕に経営参加してもらう方が会社や社会の利益にかなう気がする。

 総会屋が怖い時代があったが、長い空虚な株主総会の時代がおわり、経験と知恵と準備をした個人株主が厳しい質問を経営者に投げかける時代の到来を予感する。

 総会が終わるまで議長は安らかに眠ることがかなわない時代の予感だ。

  
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