2024年11月22日(金)

使えない上司・使えない部下

2018年7月20日

会社をつくっていくことは
ものすごくクリエイティブな仕事だと実感しています

 僕はクリエイターとして、ひとりのプレイヤーとして仕事をしつつ、社長としてマネジメントに力を入れてきました。たとえば、労働時間の管理です。この業界は伝統的に労働時間の管理にルーズな面があります。だから、毎週、社員が残業時間を管理部に報告し、月40時間以内に収めるようにしています。

 毎日の出退勤の打刻データから、自動的に折れ線グラフを作成し、全社員の1か月の労働時間を把握するソフトも使っています。管理部などが、これらのデータを常時確認します。1日の残業が4時間を超えた場合は、本人や所属部署の長、各プロジェクトのリーダーなどに状況をヒアリングし、早急に是正を求めます。

 人事評価などのあり方も試行錯誤をしながら、よりよきものにしてきたつもりです。創業し、会社が一定のペースで成長すると、そのスピードについていくことができる人とできない人が現れます。ついていけない人にも、成長の機会を与えて待つことをします。

 マネジメントを特別に勉強してきたわけではないから、難しいですね。この業界で僕のような試みをする人は少ないですから、参考になる事例が少ない。クリエイターには個性派が多いし、ややわがままな人もいます。個々のクリエイターの持ち味を生かしつつ、組織をつくるのは本当に難しい。僕は、創業者として会社をつくっていくことはものすごくクリエイティブな仕事だと実感しています。

 在宅勤務やリモートワーク、副業なども認めてきました。社員の意志や行動を拘束することは避けたいと思っているのです。複数の仕事をしたいと願う社員の思いをかなえ、納得感を高めていきたいのです。今は、人事や労務の雑誌や新聞、ネットメディアから紹介されるようになりました。僕は管理職をはじめ、社員に恵まれました。出会いがよかったのかもしれませんね。退職した人もいますが、今はすばらしい活躍をしている人が多数います。

 読者の中で、30歳までくらいの方で今の会社や仕事に不満などを感じている人がいたとしても、全然、気にしなくともいいと思いますよ。その年齢ならば、逆転は十分に可能です。マッチしない会社にいつまでも残っても、いい結果にはならないかもしれませんね。ただし、僕は転職を短い期間で繰り返すことを奨励はしません。今の会社を辞める前に、自分を振り返ることも必要ではあると思います。

 大先生の引退後? それぞれの方で状況はきっと違うのでしょうね。今は様ざまな意味で難しい時代ではないでしょうか…。 

ラナデザイン本社オフィス(東京都港区)

  
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