その後も続々とメニューは増え、社員の間でもコラボメニューが浸透していった。メニューとともに、各料理に使われている食材の特徴が記載されていて、「私も含めて、これを見てメニューを選ぶ女性社員がたくさんいます」(福嶋さん)という。
「白身フライにはほうれん草ソースをかけました。ソースには「青汁」が入っています。鉄分・カルシウムなどが補強され、栄養バランスが整います」。
「れんこん、カボチャ、玉ねぎ、人参など根菜たっぷりの和風トマトパスタです。根菜たっぷりで腸すっきり!美肌にもつながります」。
「ヘルシーな豆腐ハンバーグ。豆腐には女性ホルモンと似た働きを持つ抗酸化作用
イソフラボンを含みます」。
便秘解消、肌荒れ改善を実感
社食を利用する社員の、3~4割がコラボメニューを注文するという人気ぶりだ。歴代の栄養士は女性が多く、食堂運営を委託している株式会社グリーンハウスの栄養士・岩田典子さんも、「メニュー開発には、美容に良い食材の利用を心がけています。美肌、美髪、美爪、整腸作用や免疫力アップなど、どのような効果が見込めるか、分かりやすく説明するようにしています」と、女性の視点からメニュー開発に力を入れている。
コラボメニューには、自社製品を使った料理もある。しじみ300個分相当のオルニチンを配合しただし「滋味貝健」を使用した炊き込みご飯や、オリーブ油・菜種油・アボカド油・ごま油・コーン油の5種類をバランスよくブレンドしたビタミンEたっぷりの風味豊かな調理用油「美油五彩」、カレーやナシゴレンにも雑穀米「美穀17撰」を使用している。特に雑穀米は食物繊維が豊富なので、女性社員から「社食で食べ続けていたら便秘が解消された」「肌荒れが改善された」という声もあったという。
事業柄、全社員に占める女性の割合は高いが、それでも6割は男性社員だ。そのため、社食のメニューはヘルシーさだけを追い求めると、男性の賛同は得づらい。しかしTFTとAAAのコラボメニューは、食べ応えも十分。コラボメニューの中で特に人気の「ハワイアンビューティープレート」では、ロコモコのご飯を雑穀米にしたり、ビタミン類やアミノ酸を多く含む根菜類のマリネや、ミネラル、鉄分、食物繊維を含む海草サラダなどをつけあわせたりして、全体のバランスを整えている。菊池さんは、「社員アンケートでは、コラボメニューは女性には大変好評なので、今後はより多くの男性にも食べてもらえるようなメニュー開発やしかけを考えていきたい」と、意気込みを語ってくれた。
心身ともに美しくなれて、社会貢献もできる。「“いつも、いつまでも美しくありたい”女性たちへ」というAAA宣言を掲げるポーラの想いは、社食にもよくあらわれていた。
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