2024年12月23日(月)

インド経済を読む

2019年12月6日

 2019年ももうすぐ終わろうとしているが、この2019年という年は日本とインドの航空業界にとって大きな動きがある年だったと言えるのではないだろうか。

(LewisTsePuiLung/gettyimages)

 従来日系航空会社によるインド便は、ANAはデリー便とムンバイ便、JALはデリー便のみであり、あの日本の9倍もある広大な国土に対して日本からの移動は非常に不便だと言われていた。実際、南インドの主要都市であるバンガロール、チェンナイに行くには、一旦デリーに行ってから遅延や欠航が多いインド国内線に乗り換えるか、シンガポールもしくはバンコクでの経由便が一般的であった。そうなると到着が深夜になるケースも多く、それが日本人出張者を悩ませていたのだ。

 しかし今年の夏から、JALが成田からバンガロールへの直行便を、ANAが成田からチェンナイへの直行便をそれぞれスタートし南インドへの移動の利便性が格段に上がった。また、加えて来年春から、従来成田発だったデリー便がANA、JALともに羽田発に変更することも発表されている。羽田発になれば東海地方などから新幹線で品川→羽田と移動し、ウェブチェックインを済ませているのであればそのまま搭乗することも可能であるので、スズキやヤマハなど東海地区に拠点がありインドに進出している日系企業にとっては朗報だと言える。

 一つ目の南インドへのアクセス改善と合わせインドは時間的に非常に「近い」国になりつつあるのだ。実際新しい羽田⇔デリー便での羽田着の時間は両フライトとも朝の6時か7時、デリーを夜に出て機内で寝たらもう朝には東京に着いており、それが幸せなことかどうかはさておき、そのまま本社の始業時間に間に合ってしまうくらいだ。


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