インド経済を読む

2019年10月8日

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野瀬大樹 (のせ・ひろき)

公認会計士・税理士

大手監査法人にて、株式公開支援業務・法定監査業務・内部統制構築業務などに関わったのちに独立し、野瀬公認会計士事務所を設立。インドのニューデリーに、日本企業のインド進出を支援するNAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、代表に就任。日本インドの双方より、日系企業へのコンサルティング業務を行っている。近著に『お金儲けは「インド式」に学べ!』(ビジネス社)がある。

[著書]
インド最大の都市ムンバイ(SB Stock/gettyimages)

 9月20日インド政府は従来25%もしくは30%(会社規模による)だった法人税率を22%まで引き下げると発表した。こういった税制改正はインドでは特に珍しいことではないのだが、日本の感覚では理解しにくい点が1つ。それはこの減税が「2019年4月1日から」遡って適用されることとなった点だ。

 すでに9月15日に第2回の予定納税を旧税率で済ませている会社がたくさんあるハズなので、次の12月の第3回の予定納税時にはその再計算が行われることになると予想され、私のように会計税務を生業とする者にとっては少々面倒な手続きが必要となる。

 ともかくこの減税の結果各種細かい追加税額を含めたインドの実効税率は約25%となり、新興国の中では比較的企業の税負担が重いとされていたインドは大幅な法人への減税を決断したことになる。

 さらに2019年10月1日以降に設立される製造業を業とする法人についてはその法人税率を15%とすること、加えて従来より悪名高かった最低代替税(MAT)に関してもその税率を18.5%から15%に引き下げるとの発表が続いた。 

 ドラスティックな法人税減税、しかも今年の2月、7月と2回も機会があった税制改正発表のタイミングではなく、年度も半分が過ぎようとしたこのタイミングでのいきなりの発表、そしてそれが2019年4月1日から遡及的に適用されるという点、日本からはあまり理解しにくいこれらの点を踏まえて、インド経済のおかれている状況やインド政府の意図を少し考えてみよう。

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