天下りでなく、「天上がり」の人材活用法
政府は省庁の人材採用にあたり、一定のシェアを将来の国際官僚候補として採用して、必要なスキルを身に付けさせ、国際機関に送り込む作戦を実施すべきだ。日本政府代表だけでなく、国際機関プロパーの職員向けにもできるだけ多くの人材を送るべきだ。また定年前の人材を再度国際機関幹部に送ることができるよう人材の国際化にもっと積極的に取組むことを勧めたい。天下りではなく、天上がりの人材活用法である。これが常態化すれば、民間企業との文化格差も縮小し、官民交流も実質的にメリットがあるところまで進展するだろう。縮小均衡型の公務員制度改革だけではなく、世界に向けた拡大均衡型人事改革も是非検討すべきだ。
時間はかかるかもしれないが、一歩一歩確実に、こうしたことを実現していくべきだ。そうすれば、日本の利益を最大化する「多国間交渉」において、日本は先進国の一極として、主導権を握ることができるようになるはずだ。
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