2026年2月20日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月20日

 2025年11月20日のCambridge University Pressにステイシー・ゴダードとアブラハム・ニューマンが連名で論説を投稿し、トランプ政権の振る舞いは一人の絶対的君主のもと少数のエリートが圧倒的力を持つ新王政主義のようであると説明している。

(Sviatlana Lazarenka/Oleg Nikishin /gettyimages)

 リベラルな国際秩序(LIO)が崩壊しつつあり、ウェストファリア体制的大国主義への回帰の可能性が論じられている。しかし、トランプ政権はロシアや中国と取引するなど競争ではなく共謀し、最も親しい同盟国が自国領土を治めることすら脅かしている。

 貿易交渉は、トランプに最も近い人々が富力を搾取するために用いられている。そこで我々は「新王政主義」という少数の超エリートからなる「クリーク」(排他的小集団)によって形成される国際体系を提示する。

 新王政主義はLIOともウェストファリア体制とも異なる。君主に忠誠を誓う政治、資産、軍事部門の支配的地位にあるエリートのクリークが中心で、彼らは経済的、文化的優位性を確立することで永続的な物質的恩恵と階層的地位を得ようとする。

 トランプだけが新王政主義なのではない。インドのナレンドラ・モディ、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン、中国の習近平、ロシアのプーチン等にも新王政主義の要素がみられる。しかし、トランプはドルの国際金融体制や軍事力という無類の力の頂点におり、世界全体をにらんだ「世界秩序者」として世界を自分が望む形に変貌させ、再構築しようとしている。


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