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2020年8月2日

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韓国の検察当局は1日、国内最大の新型コロナウイルスの集団感染に関連しているとされる新興宗教団の指導者を、感染病予防法違反の疑いなどで逮捕した。

新天地イエス教証しの幕屋聖殿(新天地イエス教会)では2月、南東部・大邱(テグ)の教会で礼拝した信徒を中心に、5000人以上の感染者が確認された。これは韓国のCOVID-19患者の36%を占める。

捜査当局は、教団指導者のイ・マンヒ容疑者(88)が信徒や集会の情報を公開せず、接触者の追跡を妨げたとしている。

教団はこれに対し、イ容疑者は信徒のプライバシーを懸念していたが、当局から情報を隠したことはないと説明している。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、2日午前8時半時点での韓国の感染者は1万4336人、死者は301人となっている。

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イ容疑者は1日、事情聴取の後に逮捕された。裁判官によると、教団内の集団感染についての証拠をもみ消した形跡があるという。

また、56億ウォン(約5億円)を着服した疑いや、未認可の宗教集会を開いた疑惑も持たれている。

教団は声明で、イ容疑者は信徒の個人情報について「過剰に請求」されたことを懸念していたが、捜査を妨害する意図は一切なかったと説明した。

「裁判所による逮捕令状は、有罪確定を意味していない。今後の法廷で真実を明らかにするため、あらゆる努力を惜しまないつもりだ」

イ・マンヒ容疑者とは?

新天地イエス教会は、大勢からカルト集団だと見られている。

イ・マンヒ容疑者は、1984年に韓国で教団を創設。自分は再誕したイエス・キリストであり、聖書に記されている「約束された牧師」だと自称している。

また、14万4000人を天国に連れて行くと約束しているという。

現在の信徒数は約23万人。教団によると、中国や日本、東南アジアにも2万人以上の信徒がいる。

新天地イエス教会は、礼拝を密閉空間で信者が密接した状態で行なう。礼拝中はめがねやネックレス、イヤリングなどの着用が禁止されているという。

2月の集団感染発覚時には、信者が礼拝で互いに新型ウイルスを感染させた後、追跡できない状態で国内を移動したとみられている。

これについてイ容疑者は3月、記者会見で土下座して謝罪。感染拡大に関わったのは「意図的ではない」としつつ、「できる限り努力したが、すべてを防ぐことはできなかった」と釈明していた。

(英語記事 S Korea arrests sect leader over Covid-19 outbreak

提供元:https://www.bbc.com/japanese/53626147

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