2024年7月20日(土)

ちょっと寄り道うまいもの

2012年10月5日

 寡聞にして知らなかったが、バブルの時期など、日本のあちこちでチョウザメの養殖を試みたところがあったそうだ。養魚場があるなら引き取ってと頼まれ、育て、愛着がわき、増えた。珍味は夢を誘うのか。

チョウザメはキャビアが有名だが、西洋や中国では身も高級食材として知られる

 何はともあれ、養殖しているところを見せてもらう。奥飛騨、平湯(ひらゆ)から焼岳や穂高などが並ぶ北アルプスの谷間。清流沿いに少し広がった土地にプール状の養殖池や倉庫のような建物が並ぶ。外から見える池はスッポンのそれ。建物の中がチョウザメのプール。

 「外光を受けて、藻が生えたりすると、好ましくないので」と石田社長の子息で、チョウザメの養殖を担当している純也さん。目が退化しているため口先のヒゲで水底のエサを探る魚である。そのような飼い方でよいらしいのだ。水の流れをうまくコントロールして、汚れが残らない工夫をしたきれいなプールで、泳ぎ回っている。生まれたばかりの稚魚。一年、二年という若い魚、七年を超える大きな魚という具合にサイズによって、あるいは雄雌でと分けられた、それぞれの区画で。

 使用しているのは北アルプスからの伏流水ということだったが、そのプールの清潔さと、清流や山々の素晴らしい環境が印象深かった。

 石田社長は「奥飛騨ガーデンホテル 焼岳」という宿も経営している。どちらかというと、小さい宿が好みの私には馴染みの薄い、団体客も受け入れるような温泉ホテル。しかし、変化のある大きな温泉のお風呂、居心地の良い洋室という楽しみ方も温泉地であるのかと、逆に新鮮だった。そこで、食べる。


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