2024年11月22日(金)

ベテラン経済記者の眼

2012年9月4日

追加融資額についても異なる報道

 取引銀行の追加融資額についての報道も、メディアによって時期や金額が微妙に異なった。読売は23日の朝刊で「8月末と9月末に計2300億円程度の追加融資を検討」と報じたが、朝日は同じ日に「計2000億円規模」、日経は24日、「月内に1500億円の追加融資枠を設定する検討」と報道した。いずれの報道も近いと見れば近いが、全く違うと見ることもできる。あるいはどれも正しいのかもしれない。

 金融機関への取材でも確証がなかなか得にくかったのか、限られた情報で勝負する苦心が伝わってくるようだ。このような違いが発生したのは異なる金融機関に取材した結果、それらの言いぶりに違いが出たからではないか。報道各社はそれぞれ得意とする取材先の銀行や分野やキーパーソンをもっているはずだが、そうしたところに対する取材の温度差が細かな違いとして出たのだろう。

 「世界の亀山工場」で作った液晶テレビ「アクオス」を世に送り出し、女優の吉永小百合さんをCMに起用してきたシャープ。日本を代表する企業が経営難に陥っているという現実を知った多くの読者や視聴者は驚いたことだろう。8月末の鴻海との出資比率の見直しをめぐる交渉はうまくゆかず、持ち越しになった。9月末にかけて、さらにいろいろな真相が見えてくるのかもしれない。


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