毎年恒例の、最先端IT・エレクトロニクス総合展CEATEC(シーテック)。
「プロの視点で今年のシーテックを解説してもらおう」
月刊『WEDGE』」と『WEDGE Infinity』でコラム「家電の航路」を好評連載中の前田悟さんと会場の幕張メッセに向かった。
前田さんは、2000年にソニーで世界初の無線テレビ「エアボード」を開発したバリバリの技術者だ。エアボードについては、こちらを見てほしい。
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200009/00-0928/
驚くなかれ、米アップル社の故スティーブ・ジョブズ氏は、このエアボードを見てiPadを作ったと言われているほどだ。
前田さんとお会いしたのは2010年のこと。「なぜ日本はiPadを生み出せなかったのか?」という特集(『WEDGE』2010年7月号)の取材だった。NTTドコモのiモード生みの親、夏野剛さんから「iPadよりも先に、原型となるタブレット端末を作ったエンジニアがいる」と聞いたのがきっかけだ。
前田さんとはその後、同年12月号の特集「3D不振がメーカーに突き付ける課題」でもお世話になった。映画アバターの大入りで幕をあけた2010年、日本の家電メーカーは3Dでお祭り騒ぎだった。関係者はみんな鼻息が荒い。「ほんとうにこれで日本のテレビは復活するのか?」そんな編集部の素朴な問いを、前田さんは正面から受け止めてくれた。
「技術的に開発途上であるにもかかわらず、困ったときの3D頼みで商品化してしまう。アイデア不足の家電業界は嘆かわしい」というのが、前田さんの考えだ。
今年のシーテックの目玉は?
3D一色だった2010年と打って変わって、今年のシーテックでは、前田さんを唸らせる画期的な商品を目にすることはできるだろうか?
プレス登録をして、いざ展示会場へ。プレス関係者としては“初めて”入場した前田さん。招待者などが入場手続きをして並んでいるのを横目に、「プレスは楽でいいねぇ」とちょっと嬉しそうだ。