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2021年2月3日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

ヤンゴンで国旗と国軍旗を振る支持者(AP/AFLO)

 1日にクーデターが起きたミャンマーに進出している日系企業の工場で生産を停止する動きが出ていたが、スズキは3日午後、ストップしていたヤンゴンにある自動車工場の生産を明日から再開すると発表、経済活動への影響は限定されてきている。

 同社はクーデターの発生を受けて、ヤンゴンにある2つの工場で四輪車の生産を1日午後から停止し、安全を確認できるまで様子を見るとしていた。同社では従業員の通勤での安全確保の見通しが立ったことで生産の再開を決めた。一方、ヤンゴンで2013年から自動車部品を生産しているデンソーは同日の午後から工場の生産を一部中止しているという。

 今月、ヤンゴンで小型ピックアップトラック「ハイラックス」の生産を開始する予定だったトヨタ自動車は、「現地の情報を収集中」だとしている。

 2月は成田―ヤンゴン間で週2便の直行便を運航させる予定だった全日空は、クーデターを受けて12日の現地発便まで運休を決めている。

 一方、ミャンマーで8割のシェアを持つビール大手のミャンマーブルーワリーに出資しているキリンホールディングスは、現時点ではビールを生産している工場は正常に稼働しているという。

 またイオンは現地企業との合弁でスーパーマーケット「イオンオレンジ」の店舗を11展開しているが、一部で営業時間を短縮しているものの、ほぼ正常に営業しているという。

 証券では大和証券グループは、ヤンゴン駐在員の安否の確認はできたという。クーデター後の1、2日と閉鎖されていたミャンマー証券取引所は3日には再開されている。

 ジェトロによると、現地に進出している日系企業は1月末現在436社あり、現在、進出した企業から現地の情勢についてヒアリングをしている。

 ミャンマーはアジアで最後に残された経済フロンティアとして、経済開発に期待が集まっていた。

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