2024年6月25日(火)

J-POWER(電源開発)

2021年9月20日

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再生可能エネルギーで世界のトップランナーへ

——ミッション達成の鍵を握る再エネ拡大計画について詳しくお聞かせください。グローバルに開発を加速させると謳っていますが、どのように進めていきますか。

菅野 2025年度までに国内外の再エネ開発で合計150万kWの上積みを目標に据えました。これに向けて国内では先ほどのアップサイクルと新規開発に並行して取り組みますが、特に新規開発で注力するのは洋上風力です。陸上風力の適地が減少する中、政府は海洋国家の利点を生かす洋上風力で2040年までに最大4500万kWの開発目標を掲げていますが、当社としてもその先頭を走る覚悟で準備を進めています。

 その一つ、北九州市沖の響灘で進めている洋上風力プロジェクトは環境調査の段階ですが、やがて完成すれば1万kWサイズの大型風車を使う日本で最初の洋上発電設備になると期待されています。

 一方、海外では洋上風力の盛んなヨーロッパ北海沿岸の取り組みに学ぶため、イギリスのトライトン・ノール洋上風力発電所の建設プロジェクトに参画しています。当社からも技術者を派遣し、建設から運転・保守・撤去までのノウハウ獲得に努めてきましたが、晴れて今年、運転開始となる予定です。1万kW級の風車90基が立ち並ぶ壮大な海のウインドファームは日本ではまだ未知の領域で、ここで蓄積した知見を国内に移転することが私たちの使命です。

 加えて、アメリカではテキサス州とバージニア州の3地点で大規模太陽光発電プロジェクトに着手しました。ソーラー事業は当社として初の取り組みですが、海外で経験を積むことで、脱CO2に必須となる日本の太陽光設備の拡大にも貢献することができます。

 もっといえば、オーストラリアでは再エネ開発と並んで揚水発電の蓄電機能を組み合わせる計画を進めていますし、電力需要の増大が予測される東南アジアでは、各国の事情に応じた最適な再エネ開発をカウンターパートとともに展開することになるでしょう。

 これらは当社が海外で構築してきた、約半世紀にわたる発電事業やコンサルティングの実績と人的資源があって可能になるものです。

 

「水素社会」実現へ
Jパワーグループの挑戦

石炭ガス化技術で生成した水素を発電に生かす実証事業が進行中。CO2の分離・回収・利用にも挑戦(中国電力と共同/NEDO助成事業)。写真:大崎クールジェン

——「新たな領域への挑戦」も掲げられていますが、ここに含まれるのがCO2フリー水素発電ですね。どんな構想をお持ちですか。

菅野 これは石炭火力のアップサイクルとも密接に関係することですが、その基点となるのが、当社が20年以上をかけて積み上げてきた石炭ガス化の技術です。簡単にいえば、石炭を蒸し焼きにして生じる水素(H2)と一酸化炭素(CO)からなるガスを水蒸気(H2O)と反応させ、そこからCO2を取り除くと高濃度の水素が残る。これを発電に使うのです。

 もともと石炭火力の発電効率を極限まで高めることを目的に、石炭ガス化技術とCO2分離・回収技術を研究してきたのですが、この仕組みを生かして水素発電を可能にするものです。まさに創造的価値変換で新たな展開を拓いていきます。すでに広島県・大崎上島での実証プロジェクト(大崎クールジェン)では、燃料電池を組み合わせた高効率な水素発電の実証試験に向けた準備が始まっています。また、長崎県の松島火力発電所では、その成果を商用化すべく、今春からアップサイクルの準備に入りました。私たちはこれを「GENESIS(ジェネシス)松島計画」と呼んでいます。

 松島では既存の発電設備に石炭ガス化設備を加え、水素を含むガスによる発電を可能にします。将来的には、バイオマス燃料やアンモニアとの混焼も視野にCO2を減らす工夫を重ね、段階的に、環境負荷低減と電力安定供給を両立させる取り組みを進めます。それらがこれからの水素社会実現への第一歩となることを期待して、起源や発生を意味するGENESISという言葉を使いました。

回収したCO2は植物の生育促進や燃料、鉱物、化学製品など多彩な分野でリサイクル利用が可能。写真:カゴメと共同運営するトマト菜園

 さらに、CO2を分離・回収して地中に埋め戻す技術(CCS)や、その一部を農業などに利用するカーボンリサイクルの技術(CCU)も実証します。これが実用化されるとき、石炭由来でありながらCO2排出をゼロ化する水素製造技術が完成するわけです。

豪州で褐炭をガス化し、製造した水素を日本へ輸送する実証プロジェクトに参画。Jパワーはその要となる水素製造を担う。写真:褐炭ガス化炉設備/HySTRA・J- Power Latrobe Valley提供

 実はオーストラリアでも、すでにその実証事業は進んでいます。当社も参画して現地で褐炭から水素を作り、航路で日本へ輸送するという、壮大な多国間水素サプライチェーン構築プロジェクトです。この1月、当社が担当する水素製造が始まりました。これも将来、商用化を果たせば、CCSを組み合わせた真にCO2フリーの水素供給が可能となるでしょう。

——水素社会到来に向けた挑戦ですね。成否の鍵は何でしょう。

菅野 カーボンニュートラル実現への道筋は一つではありません。水素も含めてあらゆる可能性に目を向け、多角的な検証を続けること。環境性に加え、経済性や安定供給にも全力を挙げること。それが、Jパワーグループの基本スタンスであり、未来へ向けて絶え間なくエネルギーを提供し続けることを誓う企業としての約束です。