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Inside Russia

2013年2月23日

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 この日の午後、通報を受けて湖にやってきた軍や研究者が、この激突後に湖面にできた直径8メートルの穴のまわりを調べた。そして、ロシア科学アカデミー隕石委員会の会員で、ウラル連邦大学のグロホフスキー教授が穴の周りにあった黒い石を持ち帰り、科学鑑定を行った。すぐに、地球にはない石の特徴を示し、隕石の一部と断定した。

 石は10%が鉄分でできており、かんらん石や亜流酸塩も含んでいた。そして、教授は「この石は『普通コンドライト』で出来ている」とも語り、隕石説を主張した。「普通コンドライト」とはこれまで世界各地で発見されたほとんどの隕石が主成分として持つ物質である。

教授は発見場所にちなみ、「チェバルクリ隕石」と名づける方針を公表し、解析データは2、3カ月後に国際隕石学会に提出され、正式に決まるのではないかとの見通しも明らかにした。

 NASAの解析は早かった。アラスカの観測所が捉えた大気圏突入時の音波記録などをふまえ、何度か修正した後に隕石落下の数値を割り出した。

 この隕石の元になった小惑星は直径17メートルほどで、重さは約1万トン。秒速18キロ(時速6万4800キロ)で大気圏に突入し、大気との摩擦でも燃え尽きず、チェリャビンスク上空20~25キロで爆発した。

 そのときの衝撃のエネルギーは、広島型原爆の30倍を超える約500キロトンだったという。一方で、ロシア科学アカデミーはこれよりも小さい100~200キロトンと主張している。

 小惑星は地球の地表面に対して、20度未満の浅い角度で突入してきた。地球に至る推定軌道はラグビーボール型をしており、太陽に近いところでは金星軌道付近を通り、遠いところでは火星軌道の外側を通る。日本の探査機「はやぶさ」が砂粒を回収した小惑星「イトカワ」の軌道に似ているという。

 軌道の判明で、同じ時期に地球に大接近した直径45メートルの小惑星「2012DA14」とは全く関係のないこともわかった。

隕石か、はたまた彗星か

 一方で、今回の隕石には「彗星だったのではないか」と主張する専門家も現れている。

 ロシアの静止衛星は隕石の落下時、軌道上で水の分子を大量に採取した。ロシア科学アカデミー会員の専門家、アレクサンドル・バグロフ氏は「爆発した天体は主に氷で構成され、内部に隕石の物質はほとんどなかった」と話し、「彗星」だった可能性があることを示唆した。

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