2022年6月30日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年4月15日

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湾岸諸国やイスラエルが持つ懸念

 核合意の復活には湾岸諸国やイスラエルの懸念が強い。フィナンシャル・タイムズ紙のデビッド・ガードナーは、3月23日付け同紙掲載の論説‘Iran’s enemies in the Middle East are closing ranks’において、イランの脅威に対してイスラエルを含む地域の諸国が共同戦線を組む兆候が見えることを指摘している。しかし、イランが核兵器の取得にこれ以上接近することを止める賢明な策が彼等にある訳ではなく、要は米国の決断次第という段階にあるように思われる。

 3月26~30日に中東を訪問したブリンケン国務長官は、彼等の説得に努めた。他方、最近、イエメンの武装組織ホーシー派がサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)に対する攻撃を拡大しているが(イランと調整された攻撃なのかどうかは不明)、3月25日にもジッダ、ラアス・タンヌーラ、ラービグのアラムコの施設などに対しミサイルとドローンによる相当規模の攻撃を行った。米国はイランの脅威に対するイスラエルや湾岸の安全に重大な関心を有することを具体的に示すことが必要になっている。

 ブリンケンは「より長期でより強固な」合意を求めると語っていたが、そうはなりそうにない。しかし、時間稼ぎのためであっても、核合意を復活させることには、ロシアとの対立が緊迫し、中国とも緊張関係にある状況下では十分な合理性があると言うべきであろう。もし、核合意が復活することになるのであれば、議会に対しても、バイデン政権はこの合理性を説くことになるのではないかと思われる。

  
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