2022年10月5日(水)

教養としての中東情勢

2022年1月25日

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 イランのライシ大統領がこのほどロシアを訪問し、プーチン大統領と会談したほか、外国の首脳として下院で異例の演説を行った。ライシ師は米欧を激しく非難、ウクライナ問題で米欧と対決するプーチン氏にエールを送った。今回の訪問で米国と敵対する中露とイランによる3国枢軸が一段と鮮明に。「敵(米国)の敵は味方」という古典的な国際関係の構図が浮き彫りになった。

ロシアのプーチン大統領(左)とイランのライシ大統領(右)が19日にモスクワで会談した(代表撮影/ロイター/アフロ)

最新鋭戦闘機と地対空ミサイルを売却か

 両首脳の会談は1月19日に行われた。訪問に当たってはイランの最高指導者ハメネイ師がプーチン氏に書簡を送り、お膳立てをしたとされる。プーチン氏は新型コロナウイルス感染を警戒して対面の会談には慎重だったが、6メートルの長テーブルを間に介しての会談となった。

 両国の発表などによると、プーチン氏はシリア内戦やアフガニスタン危機などでのイランとの協力を指摘、米国との核協議に関しては、イランの立場を知ることが重要だと述べた。これに対し、ライシ師はイランが40年も米国に抵抗してきたことに言及、「イランとロシアが共闘して米国に立ち向かう時だ」として、両国の連携強化を強調した。

 ライシ師は20日にはロシア下院で演説、「北大西洋条約機構(NATO)がさまざまな口実を使って独立国家に侵入を図っている」と米欧を非難し、ウクライナ侵攻も辞さないとするプーチン氏を援護射撃した。外国の首脳が下院で演説するのは極めて異例。プーチン氏がライシ大統領を歓迎し、厚遇した証と受け取られている。

 首脳会談での具体的な合意については公式的には発表されていないが、今年で期限切れとなる「経済・安全保障協力協定」の枠組みを更新することで一致したという。特に安全保障面では、ロシアがイランに対し100億ドルに上る兵器売却で合意したとされ、イランが強く求めていた最新鋭戦闘機SU35や地対空ミサイルS400も含まれている模様。

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