2022年7月6日(水)

2021年回顧と2022年展望

2021年12月30日

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 2021年の中東情勢を振り返るとき、安定とは程遠い状況が続いた感があるが、米国プレゼンスの弱体化が進む中、イスラエルやペルシャ湾岸諸国を中心に政治的再編の新しい動きも浮き彫りになった。来年の展望はどうなるのか。イランが台風の目にとどまるのは必至だが、アラブ世界ではアサド独裁体制が強まるシリアの復帰が焦点となりそうだ。

(ロイター/アフロ)

イラン攻撃への準備は2年必要

 今年の中東情勢の最大の出来事はアフガニスタンの崩壊、タリバンの政権奪取だった。米軍や北大西洋条約機構(NATO)が完全撤退した結果だ。その混乱はなお続いているが、タリバンを承認した国がないことでも分かるように、同国の前途は多難だ。国民の大半が食糧不足に直面している。

 この他にも、イエメン戦争の泥沼状態は続き、パレスチナのガザの武装組織ハマスとイスラエルの対決はいつ火が吹いてもおかしくない状況だ。イラクではイラン系の民兵によるドローン攻撃で、首相暗殺未遂事件も起きた。内戦終結にこぎ着けたと思ったリビアでは、大統領選挙が土壇場で延期され、再び不穏な空気が漂い始めている。

 破綻国家レバノンの窮乏は留まるところを知らず、トルコではエルドアン大統領の金融政策の失敗で通貨リラが暴落、インフレが庶民の生活を直撃し、経済危機が深まっている。こうした中で、核武装が懸念されるイランの動向に周辺国はもとより、欧米も振り回された。

 反米強硬派のライシ政権下で11月、イラン核交渉の再建協議が再開したが、予想されていたようにイラン側が米制裁の「即時全面解除」が先決と主張し難航した。協議はいったん中断し、12月27日に再開したが、進展は難しいだろう。

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