米ヘリテージ財団の中国専門家であるディーン・チェン(Dean Cheng)研究員が、2月12日付で同財団のサイトに掲載された論文で、習近平の最近の演説から見ても、中国は強硬姿勢を続けそうであり、尖閣問題については、米国は、空からの偵察活動を強化するなどして、同盟国支持の断固たる姿勢を示すべきである、と述べています。
すなわち、習近平は、昨年12月、新南巡と呼ばれる中国南部訪問を実施し、1992年の鄧小平の南巡の足跡をたどったので経済自由化の再活性化と政治的開放が期待された。しかし、新南巡において行われた主要な演説の内容は、漏れ伝わるところによると、政治改革の約束からは程遠く、むしろそれに警告を発するものであった。
習のメッセージは、中国共産党は権力を手放すつもりは一切ないということであり、経済自由化の見通しをも暗くさせるものである。
習は、外交政策についても、いくつかの示唆を与えている。まだ公式発表されたわけではないが、政治局の研究セッションでは、二つの重要な点が含まれていたと報じられている。一つは、中国の報道機関が強調するように、鄧小平が謳った、平和的発展政策を続けることである。
しかし、演説の他の部分では、外国の報道機関が焦点を当てているように、中国は「核心的利益」を絶対に犠牲にしないと警告している。
「核心的利益」と言うことは、中国が交渉の余地のない領土主張とみなしているということになるが、「核心的利益」は、台湾、チベット、新疆だけでなく、往々にして南シナ海や尖閣をも含む。
習の立場は、尖閣をめぐる緊張の高まりに、既に、反映されているのかもしれない。日中はともに、尖閣周辺でのプレゼンスを維持するのに、海上の法執行力に頼ってきたが、中国は、空自の航空機を用いた日本側の対応に対して、領空侵犯を行った。
さらに、中国による、海自の艦船とヘリコプターへの火器コントロールレーダーの照射という事態もあった。そうした行為は、偶発的あるいは不注意によるエスカレーションの可能性を高めるので、事態は危険を孕んでいる。
米国は、こうした習近平の強硬姿勢に対して、次のことをするべきである。