2022年7月3日(日)

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2022年6月7日

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アリス・デイヴィース、BBCニュース

ロシアのヴァシリー・ネベンジア国連大使が6日、米ニューヨークであった国連安全保障理事会の会合中に憤慨して議場を退出した。欧州理事会のシャルル・ミシェル議長が、ロシアのウクライナ侵攻によって世界的な食料危機が起きていると非難した直後だった。

欧州連合(EU)の大統領に相当するミシェル氏は、この日の安保理事会で、ロシアが食料供給を発展途上国に対する「ステルス・ミサイル」として利用し、人々を貧困に追いやっていると述べた。

これに対しネベンジア氏は、ミシェル氏がうそを広めていると非難した。

ウクライナの港では、戦争の影響で食料が滞留している。

ウクライナは、トウモロコシや小麦などの穀物、食用油の大手輸出国。ロシアも、穀物や肥料を大量に輸出している。これらの輸出が止まっているため、代替品の価格が高騰している。

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「責任はロシアに」

ミシェル氏は安保理事会で、「ロシア連邦の大使」と呼びかけると、「率直に言うが、クレムリン(ロシア政府)は食料供給を途上国に対するステルス・ミサイルとして利用している」と述べた。

そして、「ロシアの戦争がもたらした劇的な結果は、世界中に波及している。食品価格を押し上げ、人々を貧困に追いやり、地域全体を不安定にしている」と主張。「この食料危機の責任はロシアだけにある」とした。

また、ロシアによる海上封鎖が原因でウクライナのオデーサ港に滞留している何百万トンもの穀物を、自分の目で見てきたと付け加えた。

ミシェル氏は発言の模様を、自身のツイッターアカウントに投稿した

https://twitter.com/eucopresident/status/1533865782047911939


ミシェル氏はさらに、ロシアはウクライナで軍事活動をしているため、穀物を盗んだり、作物の植え付けや収穫を妨害したりしていると非難した。

この発言を受け、ネベンジア氏は怒りをあらわにして議場を後にした。退出するネベンジア氏に向かい、ミシェル氏は、「議場から出て行ってもいい。たぶん、真実を聞かない方が楽だろう」と言葉を投げた。

ネベンジア氏はロイター通信に対し、「シャルル・ミシェルがここに来て流したうそ」のために、とどまることはできなかったと述べた。

別の会合では、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官も、ロシアがウクライナの穀物輸出を妨げていると主張。ロシア軍について、ウクライナの農業インフラを破壊していると非難した。

ブリンケン氏は、慈善家や非政府組織、民間企業とのオンラインで行ったラウンドテーブル(自由な意見交換の場)で、「約2000万トンの小麦が、オデーサ近郊のサイロや、ロシアによる封鎖のためオデーサ港で動けなくなっている文字通り穀物でいっぱいの船に閉じ込められている」と話した。

また、ロシアがウクライナの穀物を「くすねて」売っているという信頼できる情報があると、ミシェル氏と同趣旨の発言をした。

(英語記事 EU blames Russia for food crisis sparking walk-out

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61715203

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