世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月30日

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 アフリカで、これまで西側諸国が経験したようなことを、中国も体験しつつある。習近平政権下の対アフリカ政策は、今後は、ますます難問に直面するに違いない、と論じています。

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 国家主席に就任した習近平は、ロシア、タンザニア、南アフリカを訪問し、南アフリカでBRICSの会合に出席後、コンゴを訪問しました。

 シン大使による本論文は、中国とアフリカの関係増大は、同時に解決すべき難問を多く生み出した、と指摘しています。この指摘は今日では、中国とアフリカの関係のみならず、中国と南米諸国の関係についても基本的に当てはまります。

 習近平のアフリカ訪問の時期に合わせて、3月12日付英フィナンシャル・タイムズ紙は、ナイジェリアのサヌシ中央銀行総裁の寄稿文「中国への愛から目を覚ませ」を一面に掲載しました。その中で、サヌシ総裁は、「中国はアフリカから一次産品を奪い、工業製品を我々に売りつけている。これはまさに植民地主義の本質の一つである」、「中国はパートナーであるとともにライバルで、植民地主義の宗主国と同様の搾取を行う能力をもつ国とみるべきである」、「中国はもはや同じ“途上国”ではない」など痛烈な批判を行っています。アフリカの指導層の中から、中国に対して、このような率直な見解が表明されたのは、おそらく初めてではないでしょうか。

 中国としては、世界の「大国」であると同時に、「途上国」であるとの両面を使い分け、アフリカとの連帯意識を強調したいところです。しかし、透明性、説明責任、法治主義を欠いた硬直化した国内体制の反映でもある対外活動を、目に見える形で改善して行くことは、アフリカにおいても容易ではないでしょう。最近のアフリカ諸国の中国を見る目は、一段と厳しくなっています。

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