政党や候補者から受信したメールを友人に転送したり、政党のホームページに掲載されたマニフェストやビラを印刷して配布したりすると、2年以下の禁錮または50万円以下の罰金。公示日前に特定の候補者への投票をネット上で呼びかけたり、公示日前後にかかわらず未成年者がネット掲示板に選挙運動を目的とした書き込みを行えば、1年以下の禁錮または30万円以下の罰金。全く悪気がなくても、「ついうっかり」で有権者が犯罪者にされる恐れがある。
一方、制限が細かすぎて、理解できない矛盾も残る。メールはダメだが、フェイスブックやLINEのメッセージ機能はウェブサイト利用にあたるので、有権者が投票を呼びかけても問題ない。有権者は、特定候補者の当選を支持するメールを送信できないが、落選を目的としたメールは送信できる。
方向性は間違っていないが、インターネットが身近になったにもかかわらず、どこか時代錯誤に感じてしまうネット選挙解禁。ネットも含め選挙運動が自由な海外に比べ日本は出遅れた感がある。今後は、いかにうまくネットを活用して選挙運動を行っていけるかが重要になってくる。本誌では、他国の事例を紹介しているのでぜひご覧いただきたい。
WEDGE6月号特集『遥か先を行く米国・韓国 ガラパゴス過ぎる「ネット選挙」』の第1部を転載しました。本誌では、アメリカや韓国の事例を読むことができます。
◎「規制」より「自由」で民主主義を体現する米国 海野素央(明治大学教授)
◎不可思議な規制だらけ 戦前からの公職選挙法
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