うつ病蔓延時代への処方箋

2013年5月29日

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 「ちょっと辛いですが2週間は、頓服をのみながらカウンセリングで支えます。ひどいようならば来院してもらえれば何とかします」と伝え、予約日を確定しました。すると診療所からキャンセルしたいという電話があったと伝えてきました。気分が良くなったので診察は見合わせたい、治療費は支払うというんです。治療はしていませんので治療費はいただけませんが、電話するだけでも不安を取り除いてあげられる。それができるかどうかです。こんな診察する前に改善した例も少なくありません。

 ―― 診療所で取材をお願いしましたので待合室にいましたが、先生は患者さんを迎えに行くのですね。普通は看護師さんが名前を呼ぶのでしょうが。白衣も来ていないし、電話もこまめにかける。そのような治療は通常はできません。

目につく医療器具は血圧計ぐらい。診察室はシンプルだ

石蔵:患者さんは診察室に入れば構えてしまいます。そうではなく本当の状態をみるには待合室まで行くのがいい。ここでは白衣を着る必要がないでしょう。だから着ない。診察時間は平均すると30分ぐらい。電話は決めたとおりに欠かさずかけます。手帳には誰に何時に電話するかを書き込んでいますので、海外へ出張していても日本時間をみて、必ず電話をかけます。本人だけでなく、奥さん家族、会社の上司にも必要があれば電話して状況を説明し、適切な対処法を伝えます。

 診察だけではなく、大学での講義が基本ですので、多くの患者さんを診ることができません。電話を小まめにかけることは保険診療の対象外ですので、自由診療としています。現在の初診料は10万円。それでも患者さんは増えています。長期間休職することを考えれば、10万円が高くはないのでは。患者さんの判断ですが。再診時は保険適用になります。

 患者さん170人が私の診察を受けるまでに大半の人が3科、4科を受診しています。CTやMRIは8割の人が受けている。年平均の診療費は20万円、なかには50万円を超えている人もいます。長期間、辛い思いをしながら自己負担金も相当な金額になる。保険はききませんが短期間で快方に向かう方がトータルでみてメリットがあると私は考えています。

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