ベテラン経済記者の眼

2013年8月20日

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 今回のGDPの結果に「憂慮」ともいえるスタンスを示したのは読売新聞だ。読売は1面で、経済成長の推進力と期待されている設備投資がマイナスのまま伸びていないことを問題視し、社説で「消費増税に耐えられる体力か」と問い、消費税率の引き上げの当否の判断にあたっては厳しい見極めが求められると主張した。GDPが3四半期連続でプラス成長を維持したことを評価するよりも、むしろ設備投資や住宅投資のマイナスをみて、慎重な姿勢をとったという印象だ。消費増税による景気の腰折れはあってはならない、と強く警告を発している。

 東京新聞はもっと明確な判断を示しており、社説で「消費増税の環境にない」と断じ、デフレ脱却を最優先にするよう求めた。

表面化してきた各紙のスタンス

 新聞各紙を比較してみて、GDPの評価をめぐってこれほどまで論調に差が出ていたのは筆者としても意外だった。これまでは増大を続ける社会保障費をまかなう目的で消費増税を行う必要性については、民主党政権時代からメディアはおおむね賛成の意向を示していた。日本の財政の将来を考えれば国民全体で負担をわかちあう必要性を認識していたからだ。しかし2014年4月が迫り、政府が最終判断を実際に行う時期がいよいよ近づいてくる中、各紙のスタンスの違いがここにきて表面化してきたといえる。

 政府は今後の経済指標をにらみながら9月下旬から10月にかけて最終的に判断してゆくことになるが、メディアの論調も少なからず政府の決断に影響を与えることになるだろう。最終盤にかけてメディアの主張がどのように変わるのか、変わらないのか、細かな変化にまで注意を払ってウオッチする必要がありそうだ。

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