2024年11月22日(金)

world rice

2013年9月30日

 日本のコメ生産者が購入する機械で最も高額な機械は、収穫用コンバインです。機械の単価はもちろんですが、その稼働時間の短さから、作業面積当たりの償却費が非常に高くなります。おいしいコメ(売れるコメ)としてコシヒカリなどの品種を多く作付けしていると、収穫の適期は限られ、せいぜい10日程度しかありません。これに収穫適期の違う品種を組み合わせて栽培しても、適期として収穫作業ができる期間は30日程度です。雨の日を除くと1年間に収穫作業ができる日は実質20日程度になってしまいます。

 この期間に収穫作業を終えるため、20ヘクタール規模のコメ生産者は1台約1000万円の大型コンバインを購入することになります。結果、面積当たり(同時に生産物重量当たり)の償却費が大きくなります。

 日本の稲の収穫時期は秋雨時期と重なるため水田がぬかるみ、収穫作業時の機械に大きな負担を強いることになります。水田での走行性能を高めるため、機械全体の軽量化対策も考慮され製造されています。

 また、コンバインは大面積の収穫作業を考えている生産者には、どうしても耐久性に不満を持たざるを得ない機械になっています。この機械が10年程度(年間稼働時間が20日×10時間=200時間)で大きな修理を必要とし、その時に性能の高い機械に買い替えを検討するようにもなります。単純な計算ですが、この機械の償却費だけで、年間100万円です。20ヘクタールの作業では、1ヘクタール当たり5万円の償却費負担になります。1ヘクタール当たり6トンの玄米を生産するとき、1キロ当たり約10円(≒5万円÷6000キロ=8.3円)のコンバインの償却費になります。

日本のコメ農家は
農業機械を減らすべき

 性能の悪い、古くなった機械を長く使うことが良いとも言い切れませんが、超大型コンバインで収穫作業をする海外のコメ産地では、コンバインの寿命も長く20年は確実に使います。1年間の作業面積も大きく、日本の平均的なコンバインの約10倍以上の面積で作業をしています。気象条件や刈取りと刈取り後の収穫物の処理工程などの違いはありますが、基本的に機械類は、長期間、大面積で使うことを原則にして購入しています。


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