農業地帯には機械作業を請け負う専門業者もあります。海外のコメ産地の機械類の稼働時間が長くなるのは、コメ以外の作物にも使用するからです。夏場の麦や稲の収穫が終わった後、トウモロコシや大豆などの飼料作物に、機械の刈取り部分や選別部分を一部交換することで使っています。このことは機械利用のみならず農地利用の観点からも、日本でも本格的に議論され解決策を模索する必要があります。
日本の一般的なコメ生産者が償却資産として所有しているのが、トラクターや耕運機、田植え機などの機械類と、作業場や機械格納庫です。これらすべての償却費を合計すると年間に200万~300万円になります。つまり、玄米1キロ当たり約20~30円の負担になります。そして1キロ当たり200円(1万2000円/60キロ)の販売玄米における償却費負担は、約10~15%に相当します。
改善策は、生産者の機械設備の所有を少なくすることです。農作業を専門業者に委託し、また受託専門業者は、作業の専門性を追求し、効率の良い作業で1台の機械による作業面積の増加を図ります。当然、高反収品種の作付けや、収穫作業幅を大きくできる品種の組み合わせで栽培することも、機械コストを下げる有効な手段。収穫作業では収穫後の乾燥と保管対策も、大きなポイントになります。
■「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。